2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミネラルコルチコイド受容体関連高血圧の分子病態の解明と新規治療法の確立
Project/Area Number |
22591018
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴田 洋孝 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20245484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
|
Keywords | アルドステロン / ミネラルコルチコイド受容体 |
Research Abstract |
1.MR活性化におけるPKCの関与の検討 (1)レポーターアッセイによるMR転写活性の検討 COS-7細胞にMR発現プラスミドおよびMR応答性レポーターを導入し、MR転写活性を検討した。10-9Mアルドステロンによる転写活性化はTPA処置および高グルコース(30mM)にて増強された。また、TPA処置によるMR転写活性化はsiRNA-PKCalpha,siRNA-PKCbetaのいずれによっても抑制されたが、高グルコースによるMR転写活性化はsiRNA-PKCbetaによってのみ抑制されたことから、高グルコースはPKCbetaの活性化を介してMR転写活性化をきたしたことが示唆された。 (2)MR発現レベルの検討 MR安定発現細胞株293-MRにおいて、高グルコース(30mM)処置によりMR蛋白レベルが増加した。また、siRNA-PKCalphaではなく、siRNA-PKCbetaによってその増加はキャンセルされたことから、PKCbetaはMR蛋白レベルを増加させることが示された。 (3)MRのユビキチン化の検討 MR蛋白レベルが増加したことから、MRのユビキチン化の状態を免疫共沈降法により検討した。その結果、高グルコース条件では、MRのユビキチン化が抑制されることが示された。 (4)MRのPKCによるリン酸化の検討 MR発現細胞抽出液からMRを含む蛋白分画を免疫沈降にて得て、in vitroでTPA処置を行い、LC-MS/MSにより無処置サンプルと比較したが、TPAによる明らかなリン酸化部位の同定は困難であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高グルコースによるPKCbetaの活性化により、MR蛋白の安定化が起きてアルドステロン作用が増強されることがin vitroで確認された。直接PKCbetaによるリン酸化部位の同定は難航している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究はMR関連高血圧の分子病態を明らかにすることが主目的であり、糖尿病における高グルコースがPKCbetaを介してMR蛋白の安定化をきたすことが示された。研究の過程で、MRが高グルコース下で糖鎖修飾を受けることを見いだしており、最終年度はMRのO-linked N-acetylglucosamine修飾によるMR活性化についてさらに追加検討をオーケーの会う予定である。
|
Research Products
(4 results)