2010 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造変化を伴うアロマターゼ遺伝子のエピジェネティック修飾調節
Project/Area Number |
22591019
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
原田 信広 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00189705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 悟 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (00300723)
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Keywords | アロマターゼ / クロマチン構造 / ヒストンH3 / メチル化 / アセチル化 / 組織特異的発現 / ポリコーム群タンパク質 |
Research Abstract |
アロマターゼは細胞分化や癌化などの動的変化に伴って、遺伝子のクロマチン構造、そして転写調節機構が変化する。本研究では、アロマターゼ遺伝子の組織特異的発現調節において観察される多重エクソン1・多重プロモーター間でのクロマチン構造の変化、アセチル化やメチル化などによるエピジェネティックな転写調節、さらにアロマターゼ遺伝子の厳密な組織特異的発現を担保する各組織特異的プロモーターに存在する組織特異的エンハンサーの影響を抑制・遮断する制御機構に注目して解析を進めた。アロマターゼをエクソン1b上流プロモーター下に発現するHepG2細胞、エクソン1c上流プロモーター下に発現するKGN細胞、及びアロマターゼ発現が観察されないHeLa細胞を対照として解析を進めた。ChIP解析では、何れの細胞においてもアロマターゼ遺伝子プロモーター上でのヒストンH3のアセチル化は観察されなかったが、ヒストンH3のリジン(K27)のトリメチル化が観察された。そこで石原等が開発したSEVENS法で各プロモーターのクロマチン状態を調べた。その結果、使用されない多重プロモーター、HepG2細胞ではエクソン1a上流、KGN細胞ではエクソン1aや1b上流のプロモーター領域のクロマチンは堅く閉じていることが判った。またChIP解析はこうした閉じたクロマチン領域にはポリコーム群タンパク質であるSUZ12の結合が確認された。一方、アロマターゼの発現が見られないHeLa細胞においては、全ての多重プロモーター領域でヒストンH3のK27のトリメチル化はなく、代わりにK9のトリメチル化が確認された。
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Research Products
(3 results)