2010 Fiscal Year Annual Research Report
分泌顆粒内ペプチドのスナップショット解析による新規生理活性ペプチド探索
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22591023
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐々木 一樹 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子薬理部, 室長 (80260313)
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Keywords | 生理活性ペプチド / 質量分析 / 内分泌学 / 内分泌腫瘍 / 視床下部 / 分泌顆粒 |
Research Abstract |
内分泌細胞の分泌顆粒内には生理活性ペプチドなどの分泌性ペプチドが局在し、刺激に応じて細胞外に放出される。本年度は、ヒト内分泌腫瘍由来培養株としてソマトスタチン産生腫瘍およびカルシトニン産生腫瘍に脱分極刺激を短時間与えた後、培養上清を回収し、分子量の大きなタンパク質から分離の上、液体クロマトグラフィーとオンライン接続したタンデム質量分析計で配列を決定した。同定できたペプチドは95%以上が分泌顆粒内に存在することが知られている前駆体由来のペプチドであり、20種類以上におよぶ既知の生理活性ペプチドが分解を受けることなく、プロセシングを受けた直後の分子型で同定された。同定ペプチドを前駆体毎に整理すると、プロセシング部位が明瞭に推測された。多くの生理活性ペプチドはセカンドメッセンジャーとしてカルシウムイオンを利用することに着目し、カルシウム感受性発光タンパク質であるエクオリンを全身に発現するトランスジェニックマウスの組織を用いたex vivoアッセイ系を構築した。この系を用い、視床下部および下垂体を標的とする20アミノ酸ならびに30アミノ酸から成る2種類のペプチドを発見し、neuroendocrine regulatory peptide-3,-4と命名した。また、これらのペプチドは正常ラットの脳組織で同じ分子型で存在することを示した。
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