2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591032
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 宏人 金沢大学, 大学病院, 講師 (50361994)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 再生不良性貧血 / トロンボポエチン / PNH型血球 |
Research Abstract |
PNH型血球は、骨髄不全における免疫病態のマーカーとして有用であるものの、陽性細胞自体がごく少数のため判定に迷うことがある。初年度は蛍光強度の数学的解析を試みたが、日常臨床には適応困難であったため、昨年度からは感度を高めるためにFLARE抗体に変更して検討してきた。しかし、PNH型血球が陰性でも免疫抑制療法が奏効する例があり、この方法では免疫病態を見出せない例もある。そこで本年度は、再生不良性貧血(AA)では高値となる血漿トロンボポエチン(TPO)値の測定が免疫病態の診断に有用か否かを検討した。 健常者50人と、AA(47人)、MDS(120人)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(24人)を含む血小板減少(10万/μL)患者191人の血漿TPO値をELISA法により測定した。TPO値(健常者54.5±21.1 pg/mL)はAAで1254.6±551.1 pg/mLと高く、ITP(63.5±8.7 pg/mL)とMDS-RAEB(44.7±85.2 pg/mL)では低値であった。ROC解析の結果から、良性骨髄不全と相関するTPO 320 pg/mL以上をTPO高値(TPO-H)、それ未満をTPO低値(TPO-L)と定義した。PNH型血球陽性患者の占める割合は TPO-H群(45.8%)がTPO-L群(0%)より有意に高かった(P = 0.003)。TPO-H患者のうち45人が、ATG+シクロスポリン(CsA)もしくはCsA単剤による免疫抑制療法を受けた。各々に対する反応率はTPO-H群で81.2% 、85.3%であったのに対して、CsA単剤療法を受けたTPO-L群7人中改善したのは1人のみであった(P=0.002)。 今回の検討により、PNH型血球陽性例は全てがTPO-H群に包含されることが明らかになり、血漿TPOの測定は骨髄不全の病態診断に有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)