2010 Fiscal Year Annual Research Report
Bリンパ球の生存・増殖における抗アポトーシス分子アナモルシンの役割の解析
Project/Area Number |
22591034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60346202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
田中 宏和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40360846)
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Keywords | アナモルシン / PICOT / PKC / P38MAPK / 鉄・硫黄クラスター |
Research Abstract |
アナモルシン(AM)の作用機序を解明する目的にて、Yeast-two-hybrid法を用いてAMと結合する分子として、PICOTという分子をクローニングした。AMのYeastホモログのDre2とPICOT、およびそのYeastホモログのGrx3/4が鉄・硫黄蛋白であることより、AMもPICOTと結合し、鉄・硫黄蛋白として機能していると考えられた。PICOT KOマウスの表現型はAMKOマウスの表現型と酷似しており、ともにKO胎児は身体が小さく、肝臓も小さく、胎生後期に致死となる。IL-3依存性マウス造血細胞株のBa/F3に、AMのN末端フラグメントを過剰発現させ、AMとPICOTの結合を阻害すると、Ba/F3の増殖が低下することから、AMとPICOTの結合は、細胞増殖に必須であることが予想された。 また、AM KOマウスから作成したMEF細胞を用いて、AMの下流シグナルを検討したところ、AM KO MEF細胞では、PKCθ/δおよびP38MAPKが活性化されており、さらに細胞周期制御分子であるCyclinD1の発現の低下を認め、これらが原因となり、AM KO MEF細胞の細胞増殖が著明に遅延していることが示唆された。 以上の結果から、AMはPICOTと結合し、鉄・硫黄クラスターを形成しPKC、P38MAPKの活性化を負に制御することで細胞増殖に関与している可能性が示唆された。AM TGマウスとPKCδKOマウスにおいて、Bリンパ球の増加がみられるのは、AMがPKCδを負に制御することで説明が可能と考えられた。
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Research Products
(5 results)