2011 Fiscal Year Annual Research Report
Bリンパ球の生存・増殖における抗アポトーシス分子アナモルシンの役割の解析
Project/Area Number |
22591034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60346202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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Keywords | アナモルシン / PICOT / PKC / p38MAPK / 鉄・硫黄クラスター |
Research Abstract |
アナモルシン(AM)は、抗アポトーシス分子としてBリンパ球の生存・増殖に関与している可能性がある。本研究では、AM遺伝子改変マウスを用いてAMのBリンパ球における機能を詳細に解析する。これによって得られる結果をもとに、将来的にはBリンパ球の関連する疾患(腫瘍性と非腫瘍性の両方)の病態にAMがどのような役割をはたしているか明らかにし、それらの疾患の診断・治療に、AMを応用していくことを考えている。 AMの作用機序を解明する目的にて、Yeast-two-hybrid法を用いてAMと結合する分子として、PICOTをクローニングした。AMのYeastホモログのDre2とPICOT、およびそのYeastホモログのGrx3/4が鉄・硫黄蛋白であることより、AMもPICOTと結合し、鉄・硫黄蛋白として機能していると考えられた。また、PICOTは、PKCθと結合する分子としてクローニングされ、PKCθを含むnovel PKCの活性を抑制することが知られている。そこで、AM KOマウスから作成したMEF細胞を用いて、AMの下流シグナルを検討したところ、AM KO MEF細胞では、novel PKCであるPKCθ/δおよびP38MAPKが活性化されておりさらに細胞周期制御分子であるCyclinD1の発現の低下を認め、これらが原因となり、AM KO MEF細胞の細胞増殖が著明に遅延していることが示唆された。 これらの情報をもとに、AMトランスジェニック(Tg)マウスから得たBリンパ球を用いて、novel PKCのリン酸化を検討したところ、WT Bリンパ球と比較し、AM Tg Bリンパ球のPKCδの活性は抑制されていることをみいだした。また、LPSによりBリンパ球を刺激した際のリンパ球増殖については、AM Tg Bリンパ球の方が、WTよりも増殖力が低下しており、また、PKCδのリン酸化およびp38MAPKのリン酸化の低下を認めた。今後は、AM TgマウスにLPSを投与し、Bリンパ球の増殖などの変化も検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アナモルシンKO ES細胞株を樹立し、in vitroにてBリンパ球へ分化させる実験系を計画していたが、技術的問題により、アナモルシンKO ES細胞株の樹立が困難であり、本実験系を用いたアナモルシンの機能評価ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
アナモルシントランスジェニックマウスを用いて、in vivoにて、LPSを投与する系において、Bリンパ球の生存・増殖および、その際のnovel PKCおよびp38MAPKを中心としたシグナル伝達について検討する。また、アナモルシン-PICOTの鉄・硫黄クラスター蛋白がシグナル伝達分子の活性を制御するという現象を正確に評価し、世界で初めて報告する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Central nervous system event in patients with diffuse large B-cell lymphoma in the rituximab era2012
Author(s)
Tomita N, Yokoyama M, Yamamoto W, Watanabe R, Shimazu Y, Masaki Y, Tsunoda S, Hashimoto C, Murayama K, Yano T, Okamoto R, Kikuchi A, Tamura K, Sato K, Sunami K, Shibayama H, Takimoto R, Oshima R, Hatta Y, Moriuchi Y, Kinoshita T, Yamamoto M, Numata A, Ish
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 103
Pages: 245-251
Peer Reviewed
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