2010 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞特異的遺伝子の網羅的解析:自己複製・分化関連分子の同定
Project/Area Number |
22591035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 哲生 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00403064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70324762)
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60403200)
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Keywords | 造血幹細胞 / ESAM-1 / 目己複製 / 初期分化 / 細胞周期 |
Research Abstract |
造血幹細胞を中心とした階層的な造血システムは、リンパ血液細胞を供給するだけでなく必要に応じて環境変化に対応できる。造血幹細胞特異的表面マーカーとして新たにendothelial cell-specific adhesion molecule-1(ESAM-1)を同定した。今年度、ESAM-1の生体内制御機構について検討した。正常マウスを5-FUにて処理し、血球回復時の造血幹細胞(Lin-, SCA-1+, c-kit+)分画のESAM-1発現を解析した。血液細胞の枯渇に反応して造血幹細胞が増殖する時期に一致して非常に高いESAM-1発現が認められ、細胞増殖が終了するに従いESAM-1の発現も元の発現レベルまで減少した。実際、非常に高いESAM-1発現が認められる大部分の細胞が細胞周期に入っていることを確認した。次に、阻害剤をマウスに投与した結果、5-FU処理後のESAM-1発現増強には、TOPOIIやNF-kBを介するシグナルが関与していると考えられた。また、TGF-β阻害剤によってもESAM-1発現増強が抑制された。以上、造血幹細胞上のESAM-1の発現は、細胞周期と関係を持つことが明らかとなった。 ESAM-1発現細胞の骨髄内での局在を組織学的に解析したところ、ESAM-1発現細胞は血管周囲に存在していた。このことは、細胞周期にある造血幹/前駆細胞がVascular nicheに存在することよく合致すると考えられた。
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Research Products
(4 results)