2011 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞特異的遺伝子の網羅的解析:自己複製・分化関連分子の同定
Project/Area Number |
22591035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 哲生 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00403064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70324762)
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60403200)
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Keywords | 造血幹細胞 / ESAM-1 / 細胞周期 / 初期分化 |
Research Abstract |
Endothelial cell-specific adhesion molecule-1(ESAM-1は、新しい造血幹細胞特異的表面マーカーとして我々が同定した分子である。造血幹細胞におけるESAM-1の発現意義について、動物実験モデルを用いて解析した。 5-FU処理後の血球回復期にある骨髄細胞のESAM-1発現をFlow cytometerにて解析した。回復期にある造血幹細胞は非常に高いESAM-1発現が認められた。ESAM-1を高発現する細胞はすべて細胞周期に入っていることも確認した。また、ESAM-1欠損マウスに5-FU処理を行うと、赤血球系細胞の回復が著明に障害されていることを見出した。このように、ESAM-1は細胞周期にある造血幹細胞上に発現され、特に赤芽球造血に深く関わることが明らかになってきた。以上の結果に基づき、ESAM-1を欠損する造血幹細胞の質的異常に関する分子メカニズムについて解析を行うことにした。野生型およびESAM-1欠損マウスの造血幹細胞の遺伝子発現を網羅的に比較するためにDNA arrayを予定しており、既に、両細胞分画からRNAを回収している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造血幹細胞におけるESAM-1の役割を明らかにすることができた。この研究成果については、現在、論文投稿中である。また、本事実に基づき、遺伝子発現を網羅的に解析する細胞の組み合わせ(野生型とESAM-1欠損マウス由来造血幹細胞)を決定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型とESAM-1欠損マウス由来造血幹細胞の間でのDNA arrayに取り組んでおり、実験材料も整ってきた段階である。造血幹細胞から赤芽球系細胞への初期分化に関わる分子を同定したい。
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