2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍原性チロシンキナーゼ依存性細胞増殖機構の弱点の解析
Project/Area Number |
22591036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60346202)
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Keywords | 樹状細胞 / 白血病 / plasmacytoid DC / class I mutation / class II mutation |
Research Abstract |
骨髄系造血器腫瘍は、造血幹・前駆細胞レベルでの遺伝子異常が原因で発症する疾患である。骨髄系造血器腫瘍患者の末梢血中に、腫瘍由来の樹状細胞が存在していることが証明されているが、樹状細胞分化における骨髄系造血器腫瘍関連遺伝子異常の役割は不明である。そこで我々は、マウス造血幹・前駆細胞からFLT3-ligand単独で樹状細胞を誘導する培養系を確立し、骨髄系造血器腫瘍関連遺伝子異常が樹状細胞分化に及ぼす影響について解析した。Class I変異としてFLT3-ITD、FLT3-TKD、CA(constitutive active)-N-Ras、c-Kit-TKD、FIP1L1/PDGFRα、TEL/PDGFRβ、class II変異としてAML1/ETO、PML/RARα、CBFβ/MYH11、AML1dCについて検討した。pDC/cDC ratioは、FLT3-ITD、FLT3-TKDおよびすべてのclass II変異はコントロールと同等の値を示したが、CA-N-Ras、c-Kit-TKD、FIP1L1/PDGFRα、TEL/PDGFRβでは著明な低下を認めた。また恒常活性化型のシグナル伝達分子について検討したところ、CA-MEK1およびCA-STAT5Aでは著明な減少を認め、FLT3-ITD、FLT3-TKD以外のclass I変異に認められたpDC/cDC ratioの低下はMEK、STAT5の異常活性化の関与が示唆された。DC細胞表面のMHCII、共刺激分子(CD80、CD86)の発現強度を指標に成熟度を解析したところ、class I変異間で成熟度が異なり、成熟度の低いFLT3-ITD誘導DCはコントロールと同等のMLR活性を示したが、成熟度の高いCA-N-Ras誘導DCおよびTEL/PDGFRβ誘導DCは高いMLR活性を示した。以上より、マウス造血幹・前駆細胞から樹状細胞を誘導する系において、特に増殖促進性のclassI変異が樹状細胞分化に影響を及ぼすことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多発性骨髄腫細胞株においてFGFR3活性化変異発現によりプロテアゾーム阻害剤感受性が増強されることを見出したが、活性化変異FLT3においては明らかではなく現時点では活性化変異チロシンキナーゼに普遍的な現象とは考えられない。.
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Strategy for Future Research Activity |
プロテアゾーム構成分子に対するshRNA導入および各種阻害剤との併用療法による作用増強効果についてさらに検討を加える。Synthetic lethal遺伝子のスクリーニングを進める。
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