2012 Fiscal Year Annual Research Report
新たなサイトカインILー34を応用したマクロファージ分化・機能発現制御機構の解明
Project/Area Number |
22591041
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鈴 伸也 熊本大学, エイズ学研究センター, 准教授 (80363513)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血液細胞分化 |
Research Abstract |
本研究では、マクロファージの分化と機能がサイトカインで厳密に調節されるメカニズムの解明を試みた。中でもマクロファージにとって重要な生理活性物質サイトカインM-CSFに着目した。M-CSFの作用はマクロファージ上の受容体Fmsを通して発揮されるが、最近、M-CSFと受容体Fmsを共有する新規サイトカインIL-34が同定された。本研究では申請者らが既に見いだした新事実「M-CSFとIL-34は生物活性・シグナル活性化の点で全く同一ではない」を発展させ、両者がマクロファージの分化・機能をどのように異なって制御するかの解明を試みた。 2年で以下を明らかにした。M-CSF培養マクロファージとIL-34マクロファージの表現型・機能を、各種アレイ、ELISA、FACSおよび各種バイオアッセイを用い、同時にM-CSFとIL-34で活性化されるシグナル分子・転写因子をWestern blotや各種アレイを用いて比較解析した。そして炎症性サイトカインやケモカインの産生パターンに違いがある事を見出した。シグナル活性化では、その速度と時間経過においてIL-34とM-CSFには明らかな違いがある事を初めて見出した。最終年度は更に、マクロファージがM-CSFよりもIL-34に対して強い遊走能を示す事も見出した。そしてこの現象はIL-34とM-CSFとでは刺激後の受容体のエンドサイトーシスとリサイクリングの速度が異なるという結果と良く一致していた。そして、IL-34とM-CSFは共通の受容体Fms上の異なる領域に結合する事も変異体解析で明らかにした。以上、マクロファージの分化と機能発現の上で必須の受容体Fmsには2つのサイトカインが結合する事が最近明らかにされたが、それらのマクロファージの対する作用は異なっている事実、そしてその分子機構の一端を明らかに出来た。以上の成果は現在、論文として投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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