2010 Fiscal Year Annual Research Report
AMLの低酸素環境下抗癌剤耐性の機序解明と低酸素選択的薬剤による根治療法の開発
Project/Area Number |
22591042
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松永 卓也 宮崎大学, 医学部, 准教授 (70260768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 和哉 宮崎大学, 医学部, 教授 (90311844)
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Keywords | AML / 抗癌剤耐性 / 低酸素環境 / 低酸素選択性薬剤 / HIF-1α |
Research Abstract |
まず、AML細胞株(K562, U937, Meg-01, CHRF-288, SET-2)を1%酸素濃度環境あるいは20%酸素濃度環境で抗癌剤(Daunorubicin, Idarubicin, Cytosine arabinside (AraC))を添加して培養すると、1%酸素濃度環境で培養した場合の方が、20%酸素濃度環境で培養した場合と比較してIC50が3~10倍高値を示すことをMTT-assayで明らかにした。次に、AML患者由来の新鮮白血病細胞(患者5例)を用いて同じ実験をした場合も、上記AML細胞株と同様に1%酸素濃度環境では、20%酸素濃度環境と比較して抗癌剤耐性になることをMTT-assayで明らかにした。更に、上記のAML細胞株及び患者白血病細胞を1%酸素濃度環境で培養すると、すべての白血病細胞においてHIF-1αの発現が亢進することをWestern-blotで明らかにした。次に選択的HIF-1α阻害剤であるRotenoneと上記抗癌剤を組み合わせて添加して培養したところ、1%酸素濃度環境下での抗癌剤耐性が解除されることを明らかにした。次に、上記のAML細胞株及び患者白血病細胞を1%酸素濃度環境で培養すると、すべての白血病細胞でBcl-2の発現が亢進することをWestern-blotで明らかにした。更に、Bcl-2に対するsiRNAを上記のAML細胞株に導入し、上記抗癌剤を添加して培養したところ、1%酸素濃度環境下での抗癌剤耐性が解除されることを明らかにした。
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