2011 Fiscal Year Annual Research Report
AMLの低酸素環境下抗癌剤耐性の機序解明と低酸素選択的薬剤による根治療法の開発
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22591042
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松永 卓也 香川大学, 医学部, 教授 (70260768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 和哉 宮崎大学, 医学部, 教授 (90311844)
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Keywords | AML / 抗癌剤耐性 / 低酸素環境 / 低酸素選択性薬剤 / HIF-1α |
Research Abstract |
1.平成22年度の研究において低酸素環境下(1%酸素濃度)で抗癌剤(Daunorubichn, Idarubicin, Cytosinearabinoside)に対して耐性を示したAML細胞株(K562,U937,Meg-01,CHRF-288,SET-2)及びAML患者由来の新鮮白血病細胞(患者5例)に対して、平成23年度には上記抗癌剤と低酸素選択的薬剤であるTirapazamineを併用添加して培養したところ、全てのAML細胞で1%酸素濃度と20%酸素濃度におけるIC50が同等となる事を明らかにした。即ち、Tirapazamineは低酸素環境下での抗癌剤耐性を解除する事を明らかにした。 2.上記のAML細胞株及び患者由来AML細胞を1%酸素濃度あるいは20%酸素濃度の培養環境でフィブロネクチン(FN)コーティングプレートあるいはBSAコーティングプレートで培養すると、全てのAML細胞においてFNプレートのIC50がBSAプレートのそれに比べて高値を示す事を明らかにした。更に、FNプレートに限定すると1%酸素濃度の方が20%酸素濃度に比べてIC50が高値を示す事,この実験系にTirapazamineを添加するとIC50は同等となる事を明らかにした。更に、この現象はFNプレートの代わりに健常人ボランティア由来の骨髄ストローマ細胞を張り付けたプレートを用いた場合にも認められた。即ち、低酸素下では細胞接着依存性抗癌剤耐性(CAM-DR)が増強する事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成21年度に作成した本研究の研究計画調書に則り、研究が順調に進展している'ため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究も、平成21年度に作成した本研究の研究計画調書の則り進める予定である。具体的には、低酸素下でCAM-DRをもたらす接着分子を同定し、その接着分子の阻害剤,通常の抗癌剤および低酸素選択的薬剤を併用することでCAM-DRが解除されるか否かを検討する。更に、低酸素環境下でAML細胞株を長期間培養して低酸素環境に適応した細胞株を免疫不全マウスに移植して、正常酸素環境下で維持している親細胞株に比べて、骨髄への生着効率が良好な事、即ち白血病幹細胞の性質を有しているか否かを検討する。
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