2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たな手法によるPNHクローンの拡大抑制に関する基礎的検討
Project/Area Number |
22591044
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
七島 勉 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10192105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野地 秀義 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20347214)
亀岡 弥生 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (40291562)
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Keywords | 発作性夜間ヘモグロビン尿症 / テロメア長 / テロメラーゼ / 造血動態 |
Research Abstract |
平成22年度においては、溶血型PNH(発作性夜間ヘモグロビン尿症)と骨髄不全型PNHにおけるテロメア長、テロメラーゼ活性およびテロメラーゼの遺伝子学的検討を行い、両者における造血動態の差を明確にする事を目的とした。 1.テロメア長の検討:PNH5症例および健常者5例由来の末梢血顆粒球/リンパ球を対象として、フローフィシュ法を用いて、テロメア長の測定を行った。当初は、GPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)+/GPI-細胞の分離をセルソーター(ベクトン社)により行う予定であったが、今まで使用していたセルソーターが共同研究施設において廃棄処分となったため、イムノビーズとプロエアロリジンを組み合わせた方法による細胞分離に切り替えた。本法によるこれらの細胞の純度は、いずれのフラクション細胞においても90%以上であった。また、テロメア長測定に供する細胞数の関係からGPI陽性細胞/陰性細胞の割合が、10%以下の場合には、その細胞のテロメア長の測定は行う事が出来なかった。テロメア長は、溶血型および骨髄不全型PNH症例由来のGPI+/-顆粒球およびリンパ球の何れにおいても、健常者と比較して短い傾向にあり、骨髄不全型PNH症例ではより短縮していた。また、健常者においては、常に顆粒球のテロメア長が、リンパ球のテロメア長よりも長い傾向にあった。骨髄不全型PNHにおいては、テロメア長の短縮に伴い、アポトーシスの亢進が起こり、骨髄低形成を引き起こす可能性が示唆されるが、溶血型PNHにおいても程度は軽いものの骨髄不全の病態を併せ持っていると考えられる。 2.テロメラーゼ活性および遺伝子学的検討:現在、新たに導入されたセルソーターを用いて、Tリンパ球分離が可能となり、その細胞を短期培養に供する事が可能となった。上記のテロメア長の短縮が認められたPNH症例において、測定および検討を行う予定である。
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Research Products
(19 results)