2010 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞におけるRCAN1依存性の細胞機能脱制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
22591048
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
永井 正 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40237483)
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Keywords | RCAN1 / 急性骨髄性白血病 / 多発性骨髄腫 / U266 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病細胞におけるRCAN1分子の異所性発現のメカニズムを明らかにするため、ヒトRCAN1遺伝子の第一エクソン上流のプロモーター領域とルシフェラーゼ遺伝子を融合させたコンストラクトを作成し、ヒト骨髄性白血病細胞株KCL22に導入してRCAN1遺伝子プロモーター機能の解析を行った。その結果、-876bpから-866bpまで欠失させることによってルシフェラーゼ活性の著明な低下がみられたが、同領域に遺伝子変異を導入してもルシフェラーゼ活性に変化がなかった。従って、RCAN1の異所性発現に寄与しているcis-elementは、-876よりさらに上流に存在しているものと推察された。 多発性骨髄腫細胞におけるRCAN1の発現について解析を進めた。多発性骨髄腫(MM)、良性単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)および形質細胞性白血病(PCL)のそれぞれの患者骨髄および正常骨髄からCD138陽性細胞(形質細胞分画)をsortingし、RCAN1の発現をReverse transcriptase-polymerase chain reaction法で検討した。その結果、正常骨髄およびMGUSではRCAN1の発現が認められなかったのに対し、MMおよびPCLでRCAN1の明らかな発現を認めた。このことは、RCAN1が正常形細胞では発現していない一方、骨髄腫細胞で高発現していることを示唆している。さらに、多発性骨髄腫由来細胞株U266にRCAN1 shRNCAを導入してRCAN1の発現を抑制したところ、細胞増殖が著しく阻害された。この結果は、多発性骨髄細胞においては、RCAN1が生存・増殖に重要な役割を果たしていること示している。
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Research Products
(5 results)