2011 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞におけるRCAN1依存性の細胞機能脱制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
22591048
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
永井 正 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40237483)
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Keywords | RCAN1 / 急性骨髄性白血病 / NF-AT / calcineurin |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病細胞におけるRCAN1分子の異所性発現のメカニズムを明らかにするため、ヒトRCAN1遺伝子プロモーター機能の解析を詳細に行った。ヒト骨髄性白血病細胞株KCL22にRCAN1遺伝子プロモーター領域・ルシフェラーゼ遺伝子融合コンストラクトを導入してルシフェラーゼアッセイを行ったところ、新たに-459bpから-249bpまで欠失させることによってルシフェラーゼ活性が著明に低下することを見出した。この領域にはTGIF,HNF-4およびUSF結合領域が存在しており、RCAN1の異所性発現におけるこれらの転写因子の関与が示唆された。さらに、上流の解析を行ったところ、-1285bpから-876bpまでに転写抑制領域が存在することを見出した。次に、白血病細胞におけるRCAN1の作用について検討した。ヒト骨髄性白血病細胞株HL60にRCAN1 shRNAを導入してRCAN1発現を抑制すると、細胞増殖抑制、コロニー形成低下およびアポトーシス誘導を認める。その際、calcineurin phosphatase活性の有意の増加と共に、NF-AT転写因子の細胞質から核内への移行促進が観察された。さらに、calcineurin活性の抑制作用を有するcyclosporinAにより、RCAN1 shRNA導入による効果が部分的に解除された。この結果から、calcineurin-NFATシグナル系がRCAN1の作用標的の一つと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
two-hybrid法で同定した分子とRCAN1との結合を免疫沈降法でclearに示すことができず、白血病細胞におけるRCAN1の作用機序の解析が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
calcineurin-NFAT系がRCAN1の作用標的の一つであることを見出すことができた。そこで、解析の対象をtwo-hybrid法で同定した分子からNF-AT転写因子へと変更し、特にRCAN1異所性発現によって生ずるNF-AT下流の遺伝子発現調節の変化について検討する方針である。
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Research Products
(2 results)