2012 Fiscal Year Annual Research Report
造血細胞におけるチロシンキナーゼを標的としたオートファジー誘導と細胞保護効果
Project/Area Number |
22591050
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮澤 啓介 東京医科大学, 医学部, 教授 (50209897)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 智央 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (40408240)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | オートファジー / 小胞体ストレス / チロシンキナーゼ / 慢性骨髄性白血病 / メシル酸イマチニブ / 白血病 / 細胞保護効果 |
Research Abstract |
慢性骨髄性白血病(CML)の分子標的薬メシル酸イマチニブ(IM)は,他のBCR-ABLを発現しない白血病細胞株や癌細胞株,さらには,murine embryonic fibroblast(MEF)を含めた正常細胞においてもオートファジーを強力に誘導し,かつ,細胞保護効果を発現することを発見した。また,同様な現象は他の一部のチロシンキナーゼ阻害剤(ダサチニブ,ニロチニブ)によっても普遍的に誘導された。そこで,オートファジーの人為的制御(manipulation)に向けて,IMの標的分子の同定ならびに細胞保護効果の分子基盤の解明を試みた。オートファジー関連atg遺伝子群のノックダウン,atg5 tet-off MEF,ならびに各種オートファジー阻害剤を用いた実験系で,IMによるオートファジー誘導を遮断すると細胞保護効果は消失した。これより細胞保護効果はオートファジーに依存していることが明らかとなった。さらにHL-60細胞にtunicamycin(TM)やプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(BZ)を添加すると,小胞体(ER)ストレスを介した細胞死が強力に誘導された。しかし,この系にIMを同時添加すること,TMおよびBZの殺細胞効果が著しく阻害された。これよりIMの細胞保護効果はERストレスの緩和を介して発現していることが示唆された。一方,マクロライド系抗生剤であるクラリスロマイシン(CAM)はオートファジーを阻害し,BZと併用することでERストレス負荷増大による細胞死を著しく増強することが明らかとなった。IMの標的分子の同定は,現在IM固層化ナノビーズを用いて進行中である。オートファジーの制御法の確立は,今後,造血幹細胞・前駆細胞の試験管内増幅や骨髄異形成症候群・不応性貧血における無効造血の抑止を目的とする新規治療法の開発へと発展することが大いに期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(10 results)