2010 Fiscal Year Annual Research Report
リツキシマブ投与後の低免疫グロブリン血症とB細胞形質変化
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22591057
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西尾 充史 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (10322801)
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Keywords | リツキシマブ / 低免疫グロブリン / 遺伝子多型 / リンパ腫 / メモリーB細胞 / Fc受容体 |
Research Abstract |
自家移植をすることなく、R-CHOPのみの治療を受けたB細胞性リンパ腫症例23例についての検討を行った。 1.最終リツキシマブ投与後中央値20ヶ月(範囲12-39ヶ月)で、血清IgA、IgG、IgMの平均値は正常範囲内であった。(それぞれ121±28mg/dl、1129±58mg/dl、88±23mg/dl)投与後の期間が短い症例ほど、免疫グロブリン値が低い傾向があり、その後回復していく傾向がみられた。これは自家移植にリツキシマブを併用した際に、数年経っても免疫グロブリン値が回復しないことに比較して、際だった違い、と考えられた。 2.表面マーカーでは、自家移植併用リツキシマブ投与群の様なCD27陽性メモリーB細胞の選択的欠損をしている症例は存在しなかった。しかし、リツキシマブ最終投与からの時間が長い症例ほど、CD27陽性IgD陰性のクラススイッチメモリーB細胞比率が高い傾向があった。 3.末梢血単核球のisotypeが欠損している症例は1例のみ(IgG3の欠損)に存在していたが、IgM・IgAが欠損している症例は存在しなかった。 4.in vitroでのIgA・IgG・IgM産生能については上清を凍結保存しており、今後ELISAによる測定を予定している。 5.Fc受容体遺伝子多型についても、既にゲノムDNAを採取・凍結保存しており、今後、検討予定としている。 自家移植を施行し、リツキシマブを併用した症例は本年度は2例のみであった。これらの患者についての検討も行っているが、傾向は二例のため、評価困難である。
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