2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスによる宿主免疫調節候補分子の解析:免疫機構の人為的操作を目指して
Project/Area Number |
22591062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70324762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
江副 幸子 大阪大学, 医学部附属病院, 特任講師(常勤) (90379173)
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Keywords | 免疫 / 炎症 / リンパ球 / キメラマウス / サイトカイン / OSF-5(Pleiotrophin) / 増殖 / 分化 |
Research Abstract |
骨髄ストローマ細胞は微小環境を形成する重要な構成細胞であり、リンパ造血細胞の増殖・分化を制御する多くの因子を提供している。ストローマ細胞が産生するリンパ造血制御分子の同定とその機能解析を行った。ストローマ細胞株MS-5が産生する分泌・膜蛋白をSignal trap法を用いて網羅的に解析した。結果、未知の分子を含む48クローンを単離し、Proliferin, OSF-1 (Pleiotrophin), OSF-5 (Adipocyte enhancer binding protein ; AEBP1)を選別した。これら3分子の各KIキメラマウス(成熟Bリンパ球が目的蛋白を発現する)およびコントロールマウス(TT2F)を作製し、リンパ造血組織を解析した。OSF-5-KI-キメラマウスでは、骨髄・脾臓・末梢血中のリンパ球が減少しており、特にpre-B細胞以降のBリンパ球が特異的に減少していた。一方、proliferinやOSF-1の過剰産生は、リンパ造血には影響を及ぼさなかった。以上、新しいリンパ球産生調節候補分子としてOSF-5を同定した。OSF-5の遺伝子発現を解析した結果、造血組織だけでなく幅広い臓器で発現されていた。また、OSF-5には分泌型と細胞内型の2種のスプライシングバリアントが知られている。骨髄ストローマ細胞が分泌型を、造血細胞が細胞内型のOSF-5を産生することが明らかとなった。 我々が以前に同定したIFN-ζ/LimitinのKIキメラマウスのコンストラクトの作製にも成功し、マウスの作製に取り掛かった。
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Research Products
(7 results)