2011 Fiscal Year Annual Research Report
テネシン-C由来新規ペプチドを用いた造血幹細胞由来の輸血製剤の開発
Project/Area Number |
22591066
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
久冨木 庸子 宮崎大学, 医学部, 講師 (00284836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 卓也 香川大学, 医学部, 教授 (70260768)
下田 和哉 宮崎大学, 医学部, 教授 (90311844)
深井 文雄 東京理科大学, 薬学部, 教授 (90124487)
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Keywords | テネシンーC / ペプチド / 造血幹細胞 / 輸血製剤 |
Research Abstract |
1.平成22年度に臍帯血CD34陽性細胞(CB-CD34+細胞)から作製した赤血球(RBC)のO_2解離曲線パターンが、健常人由来新鮮RBCと同様である事を確認した。2.平成22年度にCB-CD34+細胞から作製したRBCをC12MDP liposomeと全身放射線照射(3Gy)で処置したNOD/SCIDマウスに輸血した際の体内動態が、健常人由来新鮮RBCと同様である事を確認した。3.CB-CD34+細胞から短期間に大血量の小板(PLT)を作製する事に成功した。ヒトtelomerase catalytic subunit (hTERT)の遺伝子を導入して樹立した骨髄ストローマ細胞株(hTERT stroma)にCB-CD34+細胞を重層し、Stem cell factor (SCF), Thrombopoietin (TPO),Flt-31igand(FL)の存在下で14日間培養しCD34+細胞を増幅した。増幅したCD34+細胞をhTERT stromaに重層し、SCF,TPO,FL,Interleukein-11(IL-11),TNIIIA2の存在下で培養し巨核球に分化・増幅した。TNIIIA2を添加した場合は7日間の培養期間で約500倍の巨核球に分化・増幅した。TNIIIA2の代わりにTNIIIA2mutを添加した場合は、同程度の分化・増幅を得るために14日間の培養期間が必要であった。つまり、TNIIIA2を添加して培養する事で、増幅効率を低下させずに短期間で大量の巨核球が得られた。得られた巨核球を更にSCF,TPO,FL,IL-11の存在下で5日間液体培養する事でPLTを大量に産生可能な事を明らかにした。具体的には、妊婦1人分のCBから濃厚PLT輸血製剤11単位に含有されるPLT数に相当する2.2x10^<11>個の正常機能を有するPLTを産生可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成21年度に作成した本研究の研究計画調書の則り、研究が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究も、平成21年度に作成した本研究の研究計画調書の則り進める予定である。具体的には、まず平成23年度に作製したPLTの機能(活性化能と凝集能)が健常人PLT及び濃厚PLT製剤と同等であることを確認する。次に、高密度細胞培養系を用いて妊婦1人分の臍帯血から、より高単位のRBC及びPLT輸血製剤を得ることを試みる。更に、siRNA random libraryを用いて、stromaが有する新規HSC増幅遺伝子を網羅的に探索する予定である。
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