Research Abstract |
申請者らが1998年以来行っているTMA解析センターとして活動を通じて,全国の医療機関からTMA症例の集積を継続した。2010年末でTMA総数が1028例となった。この内訳として,先天性TTP(Upshaw-Schulman症候群)が41例,後天性特発性TTPが330例などであった。造血幹細胞移植後(SCT)TMAは64例であるが,最近,骨髄非破壊的前処置法を用いた移植数が増加していることなどの影響によってSCT-TMAの発症頻度は低下していると言われているので,登録数は少なくなった。SCT-TMAを登録する際に,移植前から経時的に検体を集積することに努力している。その結果、急性期のみでなく,慢性期も検体採取を行い,経時的に検体採取されている症例を11例集積した。 SCT-TMAは,診断基準の診断基準として,北米(Ho VT, et al. Biol Blood Marrow Transplant 11:571, 2005)とヨーロッパ(RuutuT, et al. Haematologica 92:95, 2007)の2つのグループからそれぞれ独自の診断基準が発表された。本研究では特異度が高いと思われるヨーロッパの診断基準をもとに診断するが,Grade 1は,「破砕赤血球は認めるがその他の臨床所見は認めない」段階でのFFPの積極的な投与を試みた。 また,HUVECを用いて,血管内皮細胞障害の評価を評価する基礎的研究も行っている。HUVECへ抗がん剤を添加し,培養上清中のVWFの増加など、その影響を検討する予定である。HUVECの安定的な継代培養の確立を目指しているが,今の所安定していない。
|