2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝と血球分化における転写因子NF-kB RelAの役割
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22591073
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三瀬 節子 独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, 開発研究員 (00269052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 貴裕 独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, サブチームリーダー (60227684)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 造血幹細胞ニッチ / 骨代謝 / マクロファージ / NF-kB / プロスタグランジンE2 |
Research Abstract |
本研究において、転写因子NF-kBのRelAを骨髄細胞で欠損したRelA欠損型キメラマウスは重度の骨粗鬆症を発症することを発見した。このマウスは、同時にリンパ球の数が減少する一方、ミエロイド系の細胞の分化が亢進していた。22、23年度においては、RelA欠損型キメラマウスでは、骨芽細胞による骨形成が低下していること、RelA欠損型の造血幹細胞そのものの機能は低下していないが、骨粗鬆症の骨髄内では、造血幹細胞ニッチがが悪化している事を明らかにした。 24年度は、RelA欠損型キメラマウスの骨形成異常や造血幹細胞ニッチの悪化は、骨髄に存在する成熟マクロファージに起因している事を、以下の実験結果から明らかにした。 1.RelA欠損型キメラマウスでの骨髄内成熟マクロファージの減少。RelA欠損型キメラマウスの骨髄ではF4/80を発現する成熟マクロファージの数が減少していた。また、骨形成を支持するオステオマックと呼ばれるマクロファージが減少していた。 2.RelA欠損型キメラマウスの骨形成の回復実験。RelA欠損型キメラマウスに野生型F4/80陽性骨髄マクロファージを移植した。その結果、RelA欠損型キメラマウスでの骨形成の低下が回復した。 3.RelA欠損型骨髄マクロファージの特徴付け。RelA欠損型キメラマウス、野生型キメラマウスのそれぞれからF4/80陽性骨髄マクロファージを回収し、遺伝子発現解析によりマクロファージの特性を明らかにした。野生型マクロファージは、プロスタグランジンE2を発現する治癒型のマクロファージであるのに対し、RelA欠損型マクロファージは一酸化窒素合成酵素を発現する炎症性のマクロファージであった。このマクロファージの性質の違いが、RelA欠損型キメラマウスで、骨形成や造血幹細胞ニッチを支持できない要因であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)