2011 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおけるマイクロRNAによるインテグリンの制御に関する研究
Project/Area Number |
22591076
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河野 誠司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20351512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中町 祐司 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80379429)
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Keywords | 関節リウマチ / インテグリン / マイクロRNA |
Research Abstract |
本研究は、関節リウマチ(RA)の病態における新たなRNA干渉因子miRNA-124の関与をインテグリンβ1制御の面から明らかにし、miRNAによるRAの病態解明と診断・治療への応用を図ることを目的とする。そのため平成23年度は、22年度に引き続き、インテグリンβ1への作用を中心に明らかにするために培養細胞およびラットを用いて実験を行い、以下の結果を得た。(1)インテグリンβ1へのmiR-124の効果の検討。RA患者由来滑膜の組織染色にてインテグリンβ1の発現増強を確認した。患者培養滑膜細胞(RA-FLS)にmiR-124の前駆体pre-miR-124をLipofectamine2000と混合して添加しmiR-124をRA-FLSに強制発現させて、インテグリンβ1の発現の変化をFCMで検討したところ、インテグリンβ1の発現減少が見られた。(2)ラット・アジュバント関節炎モデルでのmiR-124発現の評価。ラット・アジュバント関節炎モデルで、miR-124を投与したところ、関節炎誘導ラットの関節炎の軽減が認められた。さらに組織学的検討により、関節組織において、インテグリンβ1の発現低下を認めた。現在、組織中で主にインテグリンβ1を発現している細胞の同定と、その細胞におけるインテグリンβ1の発現低下を確定する実験を進めている。以上の結果より、インテグリンβ1の発現を減少させる機序によりmiR-124をリウマチ関節炎に使用できる可能性が強く示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット関節炎組織にインテグリンβ1発現が認められることと、インテグリンβ1発現がmiR-124により抑制されることが確認されたので、次の細胞生物学的機序の解明に進める段階に来た。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット組織において、TRAP染色により染まる細胞(破骨細胞)とインテグリンβ1に染まる細胞の分布が一致しており、これを組織学的に確定する。つぎに、ヒトやラットの破骨細胞を試験管内で誘導し、miR-124のインテグリンβ1発現への影響を検証する。
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Research Products
(3 results)