2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗体産生細胞を標的とした全身性エリテマトーデスの新規治療法の開発
Project/Area Number |
22591077
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小荒田 秀一 佐賀大学, 医学部, 助教 (50304887)
|
Keywords | SLE / B細胞 / RP105 / 形質細胞 / BCMA / BAFF / APRIL / CD40L |
Research Abstract |
自己抗体産生細胞として同定されたRP105陰性B細胞に対して、BCMAのリガンドであるBAFFやAPRIL制御による治療への応用の可能性について検討を行った。この際にin vitroにおいてRP105陰性B細胞の生存細胞数を計測し、BAFF,APRILの機能的解析を行った。 SLE由来のRP105陰性B細胞は、BCMAを特異的に発現していた。強力なCD40Lにより、RP105陰性B細胞は、細胞死が誘導されたが、そのリガンドであるBAFF、APRILにより、同細胞は細胞死を回避し、生存に寄与した。一方、RP105陽性B細胞はBAFF,APRILにより細胞死を回避しえなかった。 また、基礎的研究として、B細胞でのRP105陰性B細胞の分化段階の位置付けするためにフローサイトメトリーを用いて、RP105陰性B細胞のフェノタイプの解析を行った。この際に、RP105陰性B細胞はさらに、活性化B細胞、前期・後期形質芽細胞、早期形質細胞、形質細胞の後期B細胞の5サブセットを形成していることが明らかとなった。SLEでは、RP105陰性B細胞の増加が認められるが、そのサブセットのうち、形質芽細胞の増加が特徴的な所見であり、病態に寄与している可能性があると考えられる。また、このうち、新たなB細胞サブセットを形成する細胞群がSLEにおいて存在することを初めて同定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RP105陰性B細胞の基礎的データの集積が終了し、B細胞の治療標的としてBCMAが有用である可能性を解析できたので、おおむね順調に進展していると考えられる。また、新たなB細胞サブセットして、B細胞分化後期のサブセット群を同定しえたことは、SLEの研究で有用な情報であると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
RP105陰性B細胞に対する治療分子標的としてBCMAが有用であることが明らかとなったため、今後、SLEの治療法として、発展させていく。また、新たなB細胞サブセットの同定ができたため、さらに詳細なフェノタイプ解析を行うとともに、新たなサブセットに発現して、しかもSLEの病態に特異的な標的分子の同定を今後の課題としていく。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
[Journal Article] Therapeutic response of patients with adult Still's disease to biologic agents : multicenter results in Japan2012
Author(s)
Suematsu R, Ohta A, Matsuura E, Takahashi H, Fujii T, Horiuchi T, Minota S, Ishigatsubo Y, Ota T, Takei S, Soejima S, Inoue H, Koarada S, Tada Y, Nagasawa K
-
Journal Title
Mod Rheumatol
Volume: 22(In press)
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-