2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規シトルリン抗原同定―関節リウマチにおける病原性の解明とバイオマーカーへの展開
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22591086
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
沢田 哲治 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50235470)
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Keywords | 関節リウマチ / シトルリン化ペプチド / 自己抗体 |
Research Abstract |
抗シトルリン化ペプチド抗体(anti-citrullinated paptide antibody,ACPA)のうち、現在実地臨床で用いられているのは第2世代抗CCP抗体(抗CCP2抗体)のみである。 新規のACPA測定系に関して、抗CCP2抗体とは異なるACPAである抗変異シトルリン化ビメンチン抗体(Anti-mutated citrullinated vimentin antibodies,抗MCV抗体)の解析を行い、RA活動性評価における抗MCV抗体価の有用性をCCP2やRA-CA(シトルリン化したIgG-Fc部分を抗原としたACPA)の抗体価と比較した。その結果、抗MCV抗体はCCP2やRA-CAよりもRA疾患活動性の検出に優れていた。抗MCV抗体はRA活動性マーカーとなりうる可能性が考えられ、臨床的意義は大きい。 熱ショック蛋白(Heat shock protein)やフィブロネクチン(fibronectin)、トロンボモジュリン(thrombomodulin)は、昨年度に作成したアルギニン残基の割合が高いペプチドのリストに含まれる分子である。これらのペプチドをin vitroでシトルリン化することにより、新規ACPA測定系を作成することが可能であった。新規ACPAの感度・特異度はCCP2の方が良好であり、これらの診断学的な有用性は低いが、RAの病態を解明していく上で重要な知見であると考えられる。特にフィブロネクチンについては、シトルリン化されたcellular type fibronetinがRA関節液中に検出され、ACPAとの免疫複合体形成を介してより具体的にRA病態に関与しうる可能性があり、病因論的に有意義な知見であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規の抗シトルリン化ペプチド抗体(anti-citrullinated paptide antibody,ACPA)の測定系が逐次可能になっている。関節リウマチ検体は十分に集積されつつあるので、新規ACPAの臨床的な意義付けをすることも可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、候補分子アプローチに加えて滑膜抽出液や血清亜分画を用いた包括的アプローチも逐次行い、新規の抗シトルリン化ペプチド抗体の測定系をさらに開発し、その臨床的意義意義を明らかにしていく。
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