2011 Fiscal Year Annual Research Report
重症喘息におけるアレルギー性好中球性気道炎症の機序の解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
22591092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金廣 有彦 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20243503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 信明 岡山大学, 大学病院, 助教 (70335610)
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Keywords | 難治性喘息 / 気管支喘息 / 好中球性気道炎症 / マウス喘息モデル / 気道炎症 / 気道過敏症 |
Research Abstract |
気管支喘息はアレルギー性気道炎症と気道過敏性の亢進を特徴とするが、近年高齢化とともに高齢者喘息の増加と気道のリモデリング形成による非可逆性の重症・難治性喘息症例が増加している。これまで考えられていたTh2リンパ球、好酸球を中心とした好酸球性気道炎症のみでなく、重症化の機序にステロイド薬の効果が認められないアレルギー性好中球性気道炎症が重要な役割を果たしている可能性が考えられるが、そのメカニズムは非常に複雑で未だ明らかではない。本研究によりターゲット細胞が同定できれば、分子生物学的に重症喘息の発症、増悪を制御し得る新たな治療薬が開発できる可能性があり、本研究は喘息死ゼロの達成を視野にいれた極めて重要な研究である。まず申請者らは慢性喘息モデル、重症・難治性喘息モデルを作製し、気道局所への好中球の集積、活性化に極めて重要なメディエーターであるleukotriene B4(LTB4)に特異的な細胞膜7回貫通型の受容体であるleukotriene B4 receptor 1 (BLT1)の気道炎症局所への好中球を中心とした炎症細胞の遊走および活性化について検討した。その結果、BLT1阻害薬がすでに完成された慢性気道炎症および気道過敏性を抑制することにより抗原誘発遅発型気道反応を有意に抑制することを発表し、「Blocking the Leukotriene B4 Receptor 1 Inhibits Late Phase Airway Responses in Established Disease」としてAm J Respir Cell Mol Biolに研究結果を発表した。さらに、CD8 T細胞やTh1T細胞の気道集積に関与するケモカインであるCCR5が気道炎症および気道過敏性に重要な役割を果たしていることを世界ではじめて「Requirement for CCR5 in the development of allergen-induced airway hyperresponsiveness and inflammation」としてAm J Respir Cell Mol Biolに報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重症喘息におけるアレルギー性好中球性気道炎症の機序の解明と新規治療薬の開発を研究課題として現在研究に取り組んでいるが、その研究成果を呼吸器疾患研究のtop journalであるのAm J Respir Cell Mol Biolに2報報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き各種マウスを用いて好中球とCD8 T細胞、Th17 T細胞、制御性T細胞との相互作用および好中球の気道局所への集積と活性化における複雑なアレルギー性好中球性気道炎症のメカニズムを解明し、新規治療薬の開発をめざす予定である。
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Research Products
(5 results)