2012 Fiscal Year Annual Research Report
重症喘息におけるアレルギー性好中球性気道炎症の機序の解明と新規治療薬の開発
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22591092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金廣 有彦 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20243503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 信明 岡山大学, 大学病院, 助教 (70335610)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 難治性喘息 / 気管支喘息 / 好中球性気道炎症 / アレルギー性気道炎症 / 気道過敏性 / マウス喘息モデル |
Research Abstract |
気管支喘息はアレルギー性気道炎症と気道過敏性の亢進を特徴とするが、近年高齢化とともに高齢者喘息と重症・難治性喘息症例が増加している。これまで考えられていたTh2リンパ球、好酸球を中心とした好酸球性気道炎症のみでなく、重症化の機序にステロイド薬の効果が認められないアレルギー性好中球性気道炎症が重要な役割を果たしている可能性が考えられるが、そのメカニズムは非常に複雑で未だ明らかではない。本年度は、慢性喘息モデル、重症・難治性喘息モデル、さらに喘息の重症難治化関与するCOPDモデルを作製し検討した。好中球性気道炎症の機序において、好中球が産生する好中球エラスターゼが気道障害などに関与している可能性が想定されていたがその詳細は明らかではなかった。申請者らは好中球エラスターゼ阻害薬を慢性喘息モデルに投与することにより、好中球エラスターゼが気道過敏性の亢進および気道炎症において極めて重要な役割を果たしていることを明らかにし、「Inhibition of neutrophil elastase attenuates airway hyperresponsiveness and inflammation in a mouse model of secondary allergen challenge」としてRespiratory Researchに、また好中球性気道炎症の機序において重要なサイトカインであるIL-17についてIL-17欠損マウスを用いて検討し、「IL-17A is essential to the development of elastase-induced pulmonary inflammation and emphysema in mice」としてRespiratory Researchに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重症喘息におけるアレルギー性好中球性気道炎症の機序の解明と新規治療薬の開発を研究課題として現在研究に取り組んでいるが、これまでその成果を呼吸器・アレルギー疾患における基礎研究のtop journalであるAm J Respir Cell Mol Biolに、「Blocking the leukotriene B4 receptor 1 inhibits late asthmatic responses in establish disease」および「Requirement for CCR5 in the development of allergen-induced airway hyperresponsiveness and inflammation」として報告し、また「Inhibition of neutrophil elastase attenuates airway hyperresponsiveness and inflammation in a mouse model of secondary allergen challenge」および「IL-17A is essential to the development of elastase-induced pulmonary inflammation and emphysema in mice」をRespiratory Researchに発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き各種喘息マウスモデル、また臨床的に喘息の重症難治化に重要な役割を果たしているCOPDのマウスモデル、さらに高齢化とともに近年著しく増加している喘息とCOPDのオーバーラップのマウスモデルを作製し、好中球とCD8 T細胞、Th17 T細胞、制御性T細胞などとの相互作用および好中球の気道局所への集積と活性化における複雑なアレルギー性好中球性気道炎症のメカニズムを解明し、新規治療薬の開発を目指す予定である。
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Research Products
(13 results)