2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺障害に対する血液浄化療法におけるガレクチン・骨髄由来免疫抑制性細胞の役割の解明
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22591095
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
一安 秀範 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50419636)
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Keywords | 肺障害 / 急性呼吸不全 / ガレクチン9 / 血液浄化療法 / PBSCs |
Research Abstract |
1ヒト末梢血サンプル中での骨髄由来免疫抑制性細胞(Myeloid-derived suppressor cells : MDSCs)の同定とガレクチン9投与後の機能解析 健常人や肺障害患者末梢血PBMCをガレクチン9存在下で24時間刺激を行うと単核球分画中の2-10%程度にHLA-DR(-)CD33(+)のMDSCが検出された。PBMCに占めるMDSCsの割合は健常群:10.62±2.92%、肺障害群:2.74±0.51%であり健常群で有意なMDSCs分画の増加を認め肺障害群のガレクチン9に対する反応性低下が示唆された。しかしその後の解析で、FACSによる検出にばらつきが生じ、結果の再現性は乏しいと判断した。 2肺障害に対する血液浄化療法(PMX-DHP)の症例集積・治療効果や臨床検査所見の解析と血液細胞のサンプリング 平成23年度は、急性呼吸不全を呈し治療抵抗性の肺障害10症例に対してPMX-DHP療法を施行し、これまでの症例と合わせて合計35症例の解析を行った。30日生存群(n=23)と非生存群(n=12)の2群間では、PMX-DHP療法施行前のSOFAスコア(3.6±1-6 vs 4.9±1.8,p<0.05))や血清LDH値(369±97U/L vs 561±271U/L,p<0.05))やKL-6値(1521U/mL±1341 vs 3177U/mL±4158,p<0.05)に有意差を認め、予後規定因子となることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨髄由来免疫抑制性細胞(Myeloid-derived suppressor cells : MDSCs)のFACSによる検出の再現性に乏しく、解析細胞をplasmacytoid DCやpDC様マクロファージへ変更したため、今後の症例の蓄積が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のようにMDSCsの検出に問題が生じたため、解析対象をHLA-DR+/CD11b+/CD317(PDCA-1)+の形質細胞性樹状細胞(plasmacytoid DC (pDC))やpDC様マクロファージに変更した。pDCは末梢血樹状細胞の一種であり末梢血単核球の約1%程度存在し、これまでの報告から抗炎症や抗腫瘍作用に中心的役割を担っていることが知られている。pDCは、種々のサイトカイン刺激やTLRを介したシグナルにより分化・成熟しIFN産生増強により免疫応答を制御していることが知られている。今後は、末梢血中(健常群や疾患群)のPBMCからガレクチン9刺激によりpDCやpDC様マクロファージの分化・成熟が誘導可能かを検討する方針へ変更する。
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Research Products
(2 results)