2010 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラ感染に対するヒトの自然抵抗性を支配する遺伝子NAIP1に関する研究
Project/Area Number |
22591108
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮本 比呂志 佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)
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Keywords | レジオネラ / 自然免疫 |
Research Abstract |
C57BL/6などほとんどの系統のマウスのマクロファージではレジオネラの細胞内増殖が抑制されるが,これには細胞死(pyroptosis)が深く関わっている.Pyroptosisにはカスパーゼ-1の活性化が必須であるが,この過程にNaip5遺伝子産物が関与していることが知られている.RAW264細胞では,レジオネラ感染時の,菌の細胞内増殖の抑制,カスパーゼ-1の活性化,および細胞死がほとんど観察されなかったが,C57BL/6Naip5の強制発現のみならず,Naip5のヒトホモログであるNAIPを強制発現によってもこれらが回復した.さらに,Naip5の機能欠損が原因でレジオネラ感染感受性のA/J系統で,ヒトNAIPをマクロファージ特異的に発現させると,レジオネラ感染に耐性になる傾向を示した.Naip5の機能欠損をヒトNAIPが回復させたことから,マウス同様ヒトにおいてもpyroptosisによるレジオネラの感染防御機構が存在し,そこにNAIPが関与している可能性が強く示唆された.
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