2011 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラ感染に対するヒトの自然抵抗性を支配する遺伝子NAIP1に関する研究
Project/Area Number |
22591108
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮本 比呂志 佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)
|
Keywords | レジオネラ / 自然免疫 |
Research Abstract |
ヒトNAIPによる,レジオネラの細胞内増殖の抑制.:RAW264でヒトNAIPを発現させた場合,レジオネラの細胞内増殖が顕著に抑制されるが,このときもカスパーゼ-1の活性化と細胞死を伴っていた.これらのことから,ヒトNAIPもマウスNaip5と同様にレジオネラ感染細胞のpyroptosisの誘導に関与し,レジオネラの細胞内増殖を抑制する機能を有していることが示唆された. ヒトNAIPの,個体レベルでのレジオネラの感染防御への寄与.:非致死量のレジオネラを経鼻感染させたところ,ヒトNAIPを発現するA/Jマウスでは,,野生型A/Jマウスに比べて,感染2日後に肺内に残存する菌が少ない傾向がみられた.また,致死量のレジオネラを経鼻感染させたとき,ヒトNAIPを発現するA/Jマウスでは,生存日数の延長傾向と生存率の上昇傾向が観察された.以上の結果から,ヒトNAIPはレジオネラ感染細胞のpyroptosisの誘導に関与することを通じて,ヒトのレジオネラの感染防御に寄与していることが示唆された. (考察)マウス個体に対してレジオネラを肺感染させたとき,ヒトNAIPを発現するA/Jマウスでは,肺内の菌数の減少と予後の向上が観察されたが,ヒトNAIPの発現の有無でレジオネラ感染による肺傷害に変化が起きているのか,については,今後検討しなければならない.気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞浸潤,および,肺中の炎症性サイトカインやケモカインのレベルを調べることにより,肺傷害の程度を比較する必要があろう.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックマウスを使用した研究と培養細胞を使用した研究ともに順調で、結果も出始めている。結果の一部をまとめて英文論文として投稿して受理された。
|
Strategy for Future Research Activity |
レジオネラ症患者の数を増やして症例対象研究をすすめていく
|