2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞の分泌膜小胞を用いた新タイプ治療用ワクチン:慢性ウイルス感染症への展開
Project/Area Number |
22591111
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
守屋 修 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (40049862)
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Keywords | エキソソーム / 慢性ウイルス感染症 / 細胞傷害性T細胞 / IFNγ産生細胞 / HHDトランスジェニックマウス |
Research Abstract |
樹状細胞由来の分泌型膜小胞、エキソソーム(exosome : EX)を安全で有効なC型肝炎ウイルス(HCV)慢性感染症の免疫治療用新規賦活剤として検討した。本研究はこれまでとは全く異なった生体材料のEXによる細胞傷害性丁細胞(CTL)誘導、IFN-γ産生能等を指標にしてHCV慢性感染症の治療ワクチンの開発をめざしている。HCVタンパク断片を発現する組換えアデノウイルス(Rec Ad-NS3-5A : RecAd)で樹状細胞を感染させ、遊離してくるEXをHHDマウスに投与し、<51>^Cr遊離反応でHCV特異的CTL誘導能を検討した。HLA-2拘束性エピトープ(aa1406、aa1666)に関し、EX投与はコントロールのRecAd単独投与群と同レベルのCTL誘導をみた(aa1406:15% specific killing、 aa1666:18% killing)。ELISPOT法によるIFNγ産生細胞数はエピトープaa1666ではEX投与でRecAdと比較し高頻度のIFNγ産生細胞数がみられた(aa1666:EX:73/10^6リンパ球、RecAd:52/10^6リンパ球)。aa1406ではIFNγ産生細胞数にEX投与の優位性はみられなかった。EX処理2日目におけるNK細胞のIFNγ産生能はRecAd群、EX群のいずれもIFNγ産生細胞数頻度は低く両群間に明らかな差位はみられなかった(RecAd群:26/10^6リンパ球、EX群:34/10^6リンパ球)。樹状細胞活性化因子のLPS, IL-12, CD40L, phorbor ester+ionomycin(PI), IL-6+TGFβ, ATR、 CpGなどをRecAdによる樹状細胞感染の前後に処理し樹状細胞を活性化することで産生されるEXの免疫反応での特性をエキソソーム含有成分であるCD62L, I-Ab, H-2k, CD11, CD81などの陽性細胞数を培養樹状細胞で検討した。IL-12, LPS, CpG, PI処置で未刺激樹状細胞と比較し陽性細胞数の増加をみた。EXと未感作Tリンパ球の培養でCD44の強発現よりリンパ球活性化能、RecAd特異的な遅延型過敏症でリンパ球の感作状態を検討した結果、CD62L, I-Ab, H-2k, CD11, CD81陽性細胞数を増加させたIL-12, LPS, CpG, PIに刺激効果がみられた。未感作Tリンパ球の生存率でも同じ刺激剤が効果を示した。
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