2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗クリプトコックス細胞表層蛋白抗体の持続感染診断法ならびに重症感染症治療への応用
Project/Area Number |
22591115
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
大野 秀明 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 室長 (20325640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山越 智 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 主任研究官 (00212283)
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Keywords | 感染症 / クリプトコックス症 / Cryptococcus neoformans / 潜伏感染 |
Research Abstract |
Cryptococcus neoformans var. grubii(以下C.neoformansとする)の分泌蛋白ならびに細胞壁表層に存在する蛋白分子を網羅的に検索しこれらを標的とする抗体作製を行い、C.neoformans持続(潜伏)感染菌のin vitro検出系の開発や重症感染症への治療応用を目的とした。本年度は、生体内でのC.neoformans生息環境に類似と考えられる条件(脳内環境や肉芽腫内環境を考え)低酸素下培養条件でC.neoformansを培養し、その後菌体からtotal RNAを採取しcDNAを作成後に、酵母発現用ベクターを利用してcDNAライブラリーを作製した。このcDNAライブラリーをヒト細胞に導入した後、C.neoformansのシグナルペプチドによりトラップされた分子をスクリーニングし、その情報をもとに、細胞表面あるいは細胞外に分泌されるタンパク質を同定した(SST-REX法)。最終的に、このSST法でのクローン発現数にもとづき標的とする蛋白を決定した。結果として、SSTクローン総数286個、取得因子72個の結果が得られ、これらから計47遺伝子が同定された。このうち42遺伝子については細胞表層もしくは分泌蛋白であることが推測された。また機能的には糖代謝に関与すると推測される遺伝子が比較的多く、機能不明な遺伝子も16遺伝子検出された。このSST法で情報が得られた遺伝子のうちクローン発現数が多いものをみると、hypothetical proteinが多く認められ、これらの蛋白がC.neoformansの低酸素条件下での生存や潜伏感染に関与しているのではないかと考えられた。本年度はSST法で得られたクローンのうち、発現数が29個と最も多かったものクローンを検討対象とし、次年度以降の抗体作成等の標的とした。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Transcription factors CgUPC2A and CgUPC2B regulate ergosterol biosyntheticgenes in Candida glabrata.2011
Author(s)
Nagi M, Nakayama H, Tanabe K, Bard M, Aoyama T, Okano M, Higashi S, Ueno K, Chibana H, Niimi M, Yamagoe S, Umeyama T, Kajiwara S, Ohno H, Miyazaki Y
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Journal Title
Genes Cells
Volume: 16
Pages: 80-89
Peer Reviewed
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