2010 Fiscal Year Annual Research Report
毛細血管拡張性小脳失調症責任遺伝子ATMによる細胞分化制御機構の解析
Project/Area Number |
22591121
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
朴 今花 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, メディカルフェロー (70567750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正稔 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10406267)
杉本 昌隆 国立長寿医療センター(研究所), 老化機構研究部, 室長 (50426491)
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Keywords | 毛細血管拡張性運動失調症 / 細胞分化 / ATM / C/EBPα / T細胞受容体 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
要旨;ATMの脂肪細胞分化およびリンパ球分化における役割について検討を行った。この結果ATMがこれら細胞の分化に重要な役割を担っていることが明らかとなった。また神経細胞分化に関する検討を行うためATM欠損ES細胞を2種類入手したが、これらノックアウトマウスが毛細血管拡張性運動失調症の主要な神経症状である小脳失調をきたさないことから、ヒトモデルでの検討を行うためiPS細胞の樹立を共同研究で行った。 結果;ATMの脂肪細胞分化における役割の解析 脂肪細胞の分化にはC/EBPが重要な役割を担っていることが知られている。ATMが欠損することによりC/EBPαの誘導が見られないことが、脂肪細胞分化障害の原因であることが明らかになった、これはATMによるヒストンアセチルトランスフェラーゼp300の修飾が、脂肪細胞分化における必須の転写因子C/EBPαの転写誘導に重要なことが明らかとなった。 ATMのリンパ球分化における役割の解析 ATM欠損マウスを用いてT細胞分化を検討した。T細胞は胸腺内でCD4、CD8二重陰性細胞(DN細胞)からCD4、CD8二重いんせい陽性細胞(DP細胞)へと分化するこの過程でT細胞受容体のV(D)J領域で再構性が起こるがATMが欠損することにより再構成の段階で障害が見られ、DN3期で細胞分化が遅れることが明らかとなった。 ATMの神経細胞分化における役割の解析 ATM欠損マウス線維芽細胞よりiPS細胞を樹立した。細胞バンクより購入したA-T患者由来線維芽細胞より樹立したiPS細胞を共同研究者より入手した。
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Research Products
(19 results)