2011 Fiscal Year Annual Research Report
毛細血管拡張性小脳失調症責任遺伝子ATMによる細胞分化制御機構の解析
Project/Area Number |
22591121
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
朴 今花 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, メディカルフェロー (70567750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正稔 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10406267)
|
Keywords | 毛細血管拡張性運動失調症 / 脂肪細胞 / microRNA / iPS細胞 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
ATM野生型およびATM欠損MEFより脂肪細胞への分化を行い、cDNA発現アレイ解析によりmicro RNAの発現パターンを比較検討した。655のmicro RNAのうち,2倍以上の発現量の差が62のmicro RNAでみられ、10のmicro RNAで5倍以上の差が見られた。このうち野生型で発現量の高かった上位3つ、発現量の低かった下位3つについて。定量PCRを用いた脂肪細胞分化前後におけるmiRNAの発現量解析、ウェスタンブロット法を用いた脂肪細胞に必須の転写因子C/EBPαの発現量解析、Oil Red O染色による細胞分化の可視化により各miRNAと脂肪細胞分化との関わりを検討した。解析の結果、ATM欠損MEFにおいて高発現しているmmu-miR-Bを野生型MEFに過剰発現させたところ、脂肪細胞分化の抑制が認められ、また分化誘導に伴うC/EBPαの発現が低下していた。mmu-miR-Bの予測される1679個の標的mRNAと脂肪細胞分化に関連する81個の遺伝子を比較したところ、6つの遺伝子が一致し、その一つがC/EBPαであった。この解析からもmmu-miR-BがATM依存的にC/EBPαの発現量の調節を行い、脂肪細胞分化制御に関与している可能性が強く支持された。 正常人および毛細血管拡張性運動失調症患者由来細胞株を細胞バンクより入手し、iPS細胞の作製を行った。レトロウイルスを用いたOct3/4、Sox2、KLF4、c-Mycのの導入によりiPS細胞を作製することができた。このiPS細胞を神経への分化誘導を試み、神経幹細胞、ドーパミンサイド作動性ニューロンへの分化に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪細胞、肝細胞、神経細胞への分化を予定したが、肝細胞分化の研究が行えなかった。一歩で神経細胞に関してはヒトiPS細胞を用いた分化誘導まで達成することができ、当初の計画以上に研究が進展した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒトiPS細胞を用いた分化誘導系で神経幹細胞、ドーパミンサイド作動性ニューロンへの分化に成功した。今後その分子細胞生物学的な表現型解析へと研究を進める。
|
Research Products
(3 results)