2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質奇形ハムスターを用いたけいれん準備性の発現基盤の解析
Project/Area Number |
22591125
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
高野 知行 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80236249)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 多小脳回症 / 介在神経細胞 / てんかん / 皮質形成異常 |
Research Abstract |
(目的)多小脳回症におけるてんかんの合併はきわめて高率であり、異常皮質における高いけいれん準備性が示唆される。本研究では多小脳回症におけるけいれん準備性の病理基盤を明らかにするため、1.多小脳回症の形成過程における接線方向の神経細胞移動、2.異常皮質におけるparvalbumin陽性の介在神経細胞の分布変容、の2点について解析した。 (方法)生後1日目のシリアンハムスターの右大脳皮質内に1μgのイボテン酸を、同側のganglionic eminenceに0.05μgのbiotinylated dextran amine(BDA)を各々接種した。同様の方法で生食水を接種した検体を対照群とした。接種後5および140日目(P5およびP140)の両群の脳組織についてBDAおよびparvalbumin免疫染色を行った。 (結果)BDA免疫染色ではP5対照群では脳室下帯(背側側方部)から放射状に伸びる突起とともに頭頂部皮質に多数のBDA陽性細胞が集積していた。実験群ではこれらの所見に加え、多小脳回を形成する異常皮質にもBDA陽性細胞の集積が認められた。parvalbumin陽性細胞はP140対照群では大脳皮質に広範囲に分布し、特に視床網様核には密に集積し、海馬にも少数が散見された。P140実験群では異常皮質以外の領域では対照群とほぼ同様の分布を示したが、側方の傍多小脳回領域においてはparvalbumin陽性の細胞数は有意に増加していた。 (結語)多小脳回症の皮質形成過程にはganglionic eminence由来の介在神経細胞の動員が関与し、異常皮質における抑制性神経細胞の不均一な分布が皮質興奮性の一因となり得ることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)