2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症メタボリック症候群における新たな疾患感受性遺伝子の探索
Project/Area Number |
22591128
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
花木 啓一 鳥取大学, 医学部, 教授 (20238041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50252846)
神崎 晋 鳥取大学, 医学部, 教授 (90224873)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 小児肥満 / 遺伝性肥満 / インスリン感受性 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
インスリン感受性についてのin vivo解析と小児肥満と遺伝子多型の関連について調査を行った。 【in vivo研究】インスリン感受性 アルストレーム症候群患児について、インスリンとIGF-1への反応性の差異を検討した。インスリン0.1U/kg/dose,ivによるPG低下率は16.8%、IGF-1 0.2mg/kg/dose,scによるPG低下率は39.7%であり、インスリンへの感受性低下とIGF-1でのPG降下作用の保持が確認された。PPARγの作動薬であるインスリン抵抗性改善薬の投与が、インスリン基礎値、HOMA-Rにどのような影響を与えるかについて解析した。ピオグリタゾン投与前後で、インスリン基礎値は、87→14μg/mlへ、HOMA-Rは、17.2→3.5へと著しい改善を認めた。 Leprechaunism患児については、FPG41mg/dl,血中IRI6,702mU/mLと著明なインスリン感受性低下を示したが、IGF-1 1.0mg/kg/dayの持続投与により、IRI/glucose比の有意な低下を示した。 【コホート研究】遺伝子多型 肥満小児145名(男104、女41、年齢11.1+-3.4歳、BMI28.1+-6.0,肥満度+57.7+-25.7%)と、肥満小児36名(男22、女13、年齢10.7+-4.2歳、BMI27.5+-4.8,肥満度+59.2+-21.0%)のコホートについて、それぞれ、β3アドレナリン受容体(3βAR)、メラノコルチン4型受容体(MC4R)、PPARγについての遺伝子多型と肥満関連表現型との関連解析を行った。3βARについてはTrp64Arg多型を、MC4Rについては、肥満小児145名ではIle69Ser,Gly98Arg,Val103Ile多型を、肥満小児36名では遺伝子全長のシークエンスを、PPARγについては、pro12Ala,Pro115Gln,His(C)478His(T)多型を解析した。内臓脂肪面積は、His(C)/His(T)群で有意に高値であったが、意義については今後の検討が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vivo研究については、遺伝性肥満におけるインスリン抵抗性や周産期インスリン・アディポネクチン動態の評価について進展したが、in vitro研究に関しては、多くの肥満関連遺伝子群が最近になって発見されたことより、調査対象の重要性に変化が生じてきているため、研究の進展が遅れている。コホート研究については、対象コホートの変更により対応している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo研究については、本年度までの解析を同様に進める。最近になって多くの肥満関連遺伝子群が発見されたことより、調査対象遺伝子の重要性に変化が生じてきているため、今後は、当初予定以外の遺伝性肥満症候群についての遺伝子解析を追加して対応する。コホート研究については、耐糖能異常の発生に焦点を絞って研究を進める。
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