2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591130
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 拓志 岡山大学, 病院, 医員 (80572990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大守 伊織 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20403488)
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Keywords | 熱性けいれん / 電位依存性ナトリウムチャネル / 発熱感受性 |
Research Abstract |
(1)電位依存性ナトリウムチャネルScn1a遺伝子変異をもつ熱性けいれんのモデルラットの体温上昇に対する生体反応電位依存性ナトリウムチャネルSCN1A遺伝子変異は、重症の熱性けいれんを示すてんかん息者で高率に検出されている。ホモ接合Scn1a遺伝子変異ラットは、45℃の温浴負荷により、熱性けいれんのモデルと考えられている。Scn1a変異ラットに温浴負荷をかけ、生体信号・ビデオ監視システムを用いて、脳波・ビデオ同時記録および直腸温、血液ガスを測定した。5週齢の雄ラットに45℃の温浴負荷を5分間かけると、野生型では直腸温43.3℃になっても痙攣は誘発されないのに対し、ホモ接合Scn1a遺伝子変異ラットでは、平均3.7分後に直腸温が43.1℃で強直間代けいれんが誘発された。脳波上は痙攣の開始とともに、全般性棘波、棘徐波が出現した。血液ガス分析(尾静脈採血)では、痙攣前はpH7.381±0.008であったが、発作後は7.419±0.015でpCO2が有意に上昇していた。以上のことから、ホモ接合Scn1a遺伝子変異ラットにおける熱性けいれんの発症には、呼吸性アルカローシスが関与していることが明らかになった。 また、熱性けいれんの年齢依存性について検討してみると、野生型との差は4週齢ではなく、5週齢になってから顕著になること、また6週齢以降も熱性けいれん感受性が持続することを確認した。 (2)Scn1a遺伝子変異ラットを用いた抗てんかん薬の効果 各種抗てんかん薬を経口で1回投与した時の各薬剤の血中濃度動態を解析した。このデータを基に、投与量と温浴負荷のタイミングを決定した。どの薬剤が最も効果があるか検討したところ、特に臭化カリウムとジアゼパムで有効性が確認された。
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