2012 Fiscal Year Annual Research Report
高ロイシン血症例における分枝鎖αケト酸脱水素酵素のチアミン反応性に関する研究
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22591131
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
但馬 剛 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (00432716)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 小児代謝・栄養学 / メープルシロップ尿症 / 分枝鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体 / 分枝鎖α-ケト酸脱水素酵素キナーゼ(BCKDK) / 常染色体優性遺伝 |
Research Abstract |
メープルシロップ尿症(MUSD)は分岐酸α‐ケト酸脱水素酵素(BCKD)複合体の障害によって分枝アミノ酸(BCAA; バリン・ロイシン・イソロイシン)の異化が低下する、常染色体劣性遺伝性の先天性代謝異常症である。BCKD複合体は代謝活性を形成するサブユニット(E1α,E1β,E2,E3)および、活性発現に必要なチアミンの結合部位であるE1αのリン酸化/脱リン酸化による調節酵素 BCKD kinase (BCKDK), BCKD phosphatase (BCKDP) から構成される。典型例はE1α,E1β,E2いずれかの変異に起因する。特殊な分子機序に起因する「チアミン反応型」症例は、E1αではなくE2変異で生じる。 我々は国内BCAA高値例のBCKD複合体活性測定を通じて、新生児スクリーニング陽性以降異常値が続くにも関わらず正常活性を示す同胞例を発見した。E2変異による「チアミン反応型」症例の活性は、高濃度チアミンを添加しても正常の40%程度までしか上昇しないことから、E1αチアミン結合部位の変異を想定したが、正常配列であった。続いて、高乳酸血症を伴う病型となるE3を除く全構成タンパクおよび、上流の分枝鎖アミノトランスフェラーゼ(BCAT-1,BCAT-2)の遺伝子解析を行った結果、BCKDK 遺伝子にヘテロ接合性新規1塩基置換(c.406C>A, p.L136M)を同定した。これを伝えた父親は同胞例と同程度のBCAA高値を示し、母親および変異を持たない別の同胞のBCAAは正常レベルであった。 BCKDKはリン酸化によってBCKD複合体を不活化する酵素であり、本家系はBCKDKの機能亢進性変異による常染色体優性遺伝性MSUDという新規病型と考えられた。今後、BCAA持続高値例の確定診断において、BCKD複合体活性が正常の場合は、BCKDK変異の追加検索が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)