2011 Fiscal Year Annual Research Report
Adiposity reboundに着目した小児肥満症の早期介入に関する研究
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22591136
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
有阪 治 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60151172)
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Keywords | 小児肥満 / メタボリックシンドローム / body mass index / adiposity rebound / インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / small dense LDL / 母乳栄養 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
出生コホート調査により、初年(平成22年)度は,幼児期に始まるBMIの増加であるadiposity rebound(AR)の時期が早い程、将来、肥満、脂質異常,血圧高値を伴いやすいことを報告した。ARは体組成のリモデリングを反映し、早期のARはインスリン抵抗性形成と関連していると考えられる。今年(平成23)度は、さらに解析を進めて、出生体重・初期栄養法・家族・食事・運動などの因子が、1.5歳から3歳にかけてのBMIの増減(ARが早い・ARが遅い)に関係しているかを。3歳健診時に調査(433名)した。その結果、生後5か月まで100%母乳、100%人工栄養、それ以外(混合)とARとの間には関連を認めず、また、初期栄養法は2歳時の肥満の頻度に影響しなかった。生活習慣に関しては、第1子である、通園している、朝食を必ず食べる、菓子をあまり食べない、父親が肥満でない、などはARが遅いことに影響していた。一方、ジュースや清涼飲料水の摂取量および外遊びの時間などは、予想に反して早期ARには影響していなかった。さらに、12歳の肥満を予測するのが生後4、8、12、18か月および2、3、4、5、6歳のいずれのBMIであるかをROC解析した結果、乳児期BMIではなく2歳以降のBMIであることが判明した。乳児期の体重増加度とARの時期との相関および出生体重とARの相関については、最終年度に向けて解析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の研究計画内容がほぼ遂行された。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画どおりに研究を進めたい。3年間の研究期間の終了後も、本課題で研究を継続して、内容を発展させていきたい。問題点をあえていえば、大震災後の放射能汚染のために、対象コホート内小児の戸外での外遊び時間や食事内容などの生活習慣に変化が起こっている可能性を否定できないことである。
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