2010 Fiscal Year Annual Research Report
Brap2遺伝子はRasーMAPK症候群の原因遺伝子か?モデルマウスと遺伝子解析
Project/Area Number |
22591141
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
浅田 穣 日本医科大学, 医学部, 講師 (60366755)
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Keywords | 遺伝子ターゲッティング / brap2 / 胎生致死 / Ras-MAPK経路 / NCFC症侯群 |
Research Abstract |
Gene trap法によりbrap2をターゲッティングしたES細胞より、キメラマウスを作製し、さらにヘテロマウスを得た。ノックアウトマウス作製を試みたところ、brap2遺伝子のホモ欠損マウスは胎生致死であることが判明した。胎齢8~9日においては、野生型、ヘテロ、ホモ欠損のすべての遺伝子型が観察される。野生型、ヘテロ、ホモ欠損の胎仔サンプルよりMEFを作製し、Ras-MAPK経路の活性化の程度に差が見られるかどうか解析した。MEF細胞よりタンパク質を抽出し、ウェスタンブロットによりRas-ERK経路の分子の発現解析、またERKキナーゼ活性の測定を行った。その結果、brap2の遺伝子欠損はRas-ERK(MAPK)経路を恒常的に活性化することが示唆された。Ras-MAPK経路の恒常的活性化が原因とされるNeuro-Cardio-Facial-Cutaneous症候群の表現型をヘテロマウスが示すか、野生型マウスと比較検討しているが、明らかな差異は見ちれていない。また遺伝的背景を均一に近づけるためバッククロスを行っている。 これまでの結果より、brap2遺伝子は個体の発生発達に重要な役割を果たしていること、Ras-MAPK経路の活性を制御していることが明らかになった。 同腹のヘテロマウスと野生型マウスにおいて、各臓器・組織におけるbrap2の役割を解析している。Neuro-Cardio-Facial-Cutaneous症候群の患者の遺伝子解析も進める。
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