2012 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害に対する神経内分泌ホルモン「グレリン」の関与とその治療効果
Project/Area Number |
22591145
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
西 芳寛 久留米大学, 医学部, 講師 (20352122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
御船 弘治 久留米大学, 医学部, 准教授 (70174117)
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 准教授 (90211630)
田中 永一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (80188284)
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 講師 (10279135)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | レット症候群 / グレリン / 発達障害 / 神経内分泌ホルモン / 摂食障害 / 臨床応用 / デカノイルグレリン / 脳発達 |
Research Abstract |
レット症候群の女児と疾患モデルマウス(RTTマウス)を用いて、神経内分泌ホルモン「グレリン」の産生・分泌動態を解析した。さらにグレリン投与がRTTマウスの生命予後・神経症状に及ぼす効果を検討した。今回の申請内容に関連して、H.22-24年度の研究期間中に英文論文5報(原著3報,総説2報)、学会・研究会報告8回(国際学会・シンポジウム報告2回)を行った。英文原著論文については、さらに2報が現在投稿中(in Revise)である。以下、具体的な研究内容について概説する。 ヒト症例の血中グレリン濃度の年齢推移で、正常コントロール(女児)とレット症例間の相違が確認された。さらに摂食・消化管運動障害を有するレット症候群で血中グレリン濃度の有意な低下が認められた。結果、低グレリン血症がレット症例の摂食・消化管運動障害の一因となる可能性が推定された。RTTマウスでも、血中・脳内のグレリン産生分泌低下を示す個体群が存在した。同マウスにグレリンを連日投与(3.0 micro-g/body)すると、投与後3週間に渡って有意な神経症状の改善が確認され、同じ期間中での「突然死」の割合も低下した。 「グレリン」は、その多彩な生理作用と安全性(ペプチドホルモンの特性としての迅速な分解・代謝・排出)から、摂食障害,消化管運動障害,成長障害,循環不全,神経変性疾患への治療薬として臨床応用が進みつつある。今回の研究で得られた成果をもとに、次年度以降は「グレリンによるレット症候群の臨床症状の改善効果」のテーマで、本学の小児科による「ヒト症例への臨床研究」が開始される(特許申請中,学内倫理委員会申請中)。また、本研究内容の一部は国内の研究機関(精神・神経医療研究センター:厚労省・難治性疾患克服事業・伊藤班)との共同研究のテーマーとしても取り上げられ、高い評価を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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