2012 Fiscal Year Annual Research Report
急性・亜急性の脳炎・脳症における積極的な神経保護療法の導入のための研究
Project/Area Number |
22591147
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Research Institution | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
Principal Investigator |
田沼 直之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 研究員 (00281676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 雅晴 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 副参事研究員 (00280777)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脳炎・脳症 / 酸化ストレス / 抗神経抗体 / 自己免疫性脳炎 |
Research Abstract |
急性・亜急性の経過をとる小児の脳炎・脳症における積極的な神経保護療法導入のために、剖検脳を用いた神経病理学的解析とELISA法による生体試料(尿、血清、髄液)中のバイオマーカー解析を組み合わせ、脳炎・脳症の病態の系統的な解析を試みた。本年度は自己免疫が関与する脳炎・脳症につき、患者血清を用いた対照脳組織での免疫組織化学染色を行い、ヒト脳組織と結合する抗神経抗体のスクリーニングも実施した。まず、hemiconvulsion-hemiplegia-epilepsy症候群様のけいれん重積症状を繰り返した限局性脳症の9歳男児例について、患者血清を用いた免疫染色で側頭後頭葉の大脳皮質ニューロンに陽性所見を認め寛解期には消失したことから、本症例の発症に自己免疫機序が関与している可能性が示唆された。次にA群β溶連菌感染関連自己免疫性神経障害として、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、Pediatric autoimmune neuropsychiatric disorders associated with streptococci (PANDAS)、亜急性脳炎の症例を解析した。ADEMは10歳女児で、発熱、意識障害で発症し頭部MRIで両側基底核に信号異常を認めた。患者血清を用いた解析で急性期に淡蒼球ニューロン陽性、回復期に染色性が消失した。PANDAS症例は7歳女児で、溶連菌感染後6日に行動異常で発症、患者血清を用いた抗神経抗体スクリーニングでは急性期に淡蒼球ニューロンに染色性を示した。亜急性脳炎は9歳女児で、異常興奮と行動異常で発症し亜急性脳炎が疑われIVIG治療を行った。患者血清を用いた脳組織染色で急性期に側頭葉ニューロンに陽性、回復期は染色性が消失した。以上の結果、患者血清を用いた免疫染色は溶連菌感染関連自己免疫性神経障害の抗神経抗体スクリーニングに有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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