2010 Fiscal Year Annual Research Report
BACH1トランスジェニックマウスを用いた骨髄線維症の分子標的療法の開発
Project/Area Number |
22591149
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐々木 伸也 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (10344590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照井 君典 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (00333740)
伊藤 悦朗 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20168339)
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Keywords | BACH1 / 転写因子 / 骨髄線維症 / トランスジェニックマウス / 血小板減少 / DNAマイクロアレイ / 分子標的療法 / HGF |
Research Abstract |
BACH1トランスジェニックマウス(BACH1 TG)における骨髄線維症の発症機序の解明し、骨髄線維症に対する分子標的療法を開発するために、本年度は以下の研究を進めた。 1.受精後13.5日のマウス胎児から肝を採取し、TPO存在下に液体培養し、巨核球を大量に得た。Mac-1,GR-1,TER-119抗体、次にIgG抗体でコートされた磁気ビーズに反応させた後、MACSカラムを通して、巨核球以外の細胞を除いて巨核球を純化し、RNAを抽出した。次に、BACH1 TGとコントロールマウスの巨核球における遺伝子の発現量の差をDNAマイクロアレイ法で解析し、BACH1の標的遺伝子を検索した。その結果、Tubulina8,thromboxane A synthaseなどの多くの遺伝子の発現が有意に低下していることが観察された。これらは、転写抑制因子であるBACH1の直接の標的遺伝子あるいは下流に存在する遺伝子の可能性が示唆された。さらに、興味深いことにIrf7,Ifi203,Ifi202b,Ifi35などのインターフェロンによって制御される遺伝子群の有意な発現誘導が認められ、BACH1がインターフェロン・シグナル伝達系に重要な役割を果たしていることが明らかになった。 2.骨髄線維症に対する分子標的療法を開発するために、肝線維症に対して有効なHGFについて解析を行った。まず、BACH1 TG(16匹)およびコントロールマウス(22匹)におけるHGF血中濃度と血小板数を測定し、両者の関係について解析した。その結果、HGF濃度と血小板数に有意な相関がないことが明らかになった。一方、予想通り、TPOは血小板数の少ないBACH1 TGで有意に高値であった。そこで、HGF(500μg/kg/day)およびsalineをBACH1 TG各7匹に21日間連日投与した。しかし、血小板増加も骨髄線維症も改善も認めらなかった。
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Research Products
(1 results)