2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾の制御による若年性骨髄単球性白血病に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
22591154
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
坂下 一夫 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (10345746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 健一 信州大学, 医学部, 教授 (40143979)
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Keywords | JMML / ヒストンアセチル化酵素 / 白血病 |
Research Abstract |
ヒストンアセチル化修飾に関するHAT活性とヒストン脱アセチル化(HDAC)活性について血液腫瘍の分野で基礎的データの報告がないためJMMLの解析を始める前の基礎実験として白血病細胞株を用い測定を行った。次にHAT活性の高い細胞株と低い細胞株でヒストンアセチル化酵素阻害剤であるanacrdiac acid(AA)を作用させ細胞の増殖能を検討したしたところ、HAT活性の高い細胞株は細胞増殖に影響を与えなかったが、HAT活性の低い細胞株は細胞増殖が抑制され、アポトーシスが誘導されることを見出した。この結果はHAT活性の低い血液腫瘍に対してヒストンアセチル化酵素阻害剤が有効である可能性を示唆する結果が得られた。次に急性リンパ性白血病(ALL)の初診時の臨床検体を用いてHAT活性を測定したところ様々な値であり、リスク等とは関連はなかった。しかし再発時の臨床検体を用いて測定したところHAT活性はすべて低下しており、このことはHAT活性の低下とALL再発は関連があることが示唆された。以上よりHAT活性を標的としたALLの新たな治療法の一つとなる可能性が示された。現在急性骨髄性白血病についても解析を進めている。 JMMLに関しては、CD34陽性細胞をGM-CSFを用いて培養しHAT活性、HDAC活性の測定を行った。HAT活性に関しては上昇する症例と変化しない症例があり、HDAC活性は上昇している症例が多く認められた。AAに対するコロニー形成能の検討を行ったが、様々な反応を認めたため、現在症例数を増やして検討中で、JMMLの症例の中に明らかにAAにより増殖能を抑えられる症例があり、その特徴について現在解析中である。
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