2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾の制御による若年性骨髄単球性白血病に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
22591154
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
坂下 一夫 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (10345746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 健一 信州大学, 医学部, 教授 (40143979)
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Keywords | ヒストン / アセチル化 / 白血病幹細胞 |
Research Abstract |
若年性骨髄単球性白血病(JMML)の末梢血からCD34陽性細胞を分画し、マウスストローマ細胞であるAGM細胞とGM-CSFまたはSCF+TPOのサイトカイ存在下で共培養することによりCD34陽性細胞が増幅できる系の開発に成功した。増幅されたCD34陽性細胞はCD38が陰性であり、CD123,CD116,CD117が陽性であり、表面マーカーからは幹細胞様であった。この幹細胞の増幅率はJMMLで認められるPTPN11変異例とRAS変異例では違いが認められなかった。無治療で経過観察されているRAS症例においてはこの幹細胞増幅率が低値であった。JMMLの治療は造血幹細胞移植が選択されるが、RAS遺伝子変異を持つ一部の症例において無治療あるいは6MP内服で経過観察できる症例が存在している。しかし初診時においてどの症例が経過観察できるか現時点では選別は不可能である。今回我々が開発した系を用いてCD34陽性細胞の増幅率を調べることにより選別が可能であることが示唆され、今後症例数を増やして検討を行う。さらにこのCD34陽性細胞が幹細胞であるか証明するためにSCIDマウスに移植し、JMMLの病態が再現できるか確認を行う。 またこの系を用いてヒストンアセチル化阻害剤(anacrdiac acid)のJMML様幹細胞に対する作用について検討を行う。さらにクロマチン免疫沈降法を用い、ヒストンアセチル化のかかる遺伝子群を探索し、遺伝子治療または分子標的治療の指標となる遺伝子を検索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒストンアセチル化の効果を調べる系を研究していたところ、AGM細胞と共培養することにより白血病幹細胞の細胞を増幅することに成功し、その解析をしたために若干遅れはあるが、anacrdiac acidの作用について今後も解析を行う予定であり、全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒストンアセチル化酵素阻害剤であるanacrdiac acidの作用を我々が新規に開発した系を使用して解析を進める。研究を遂行する上での問題点は現時点ではない。
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