2010 Fiscal Year Annual Research Report
高親和性IgE受容体β鎖の構造解析と予防・治療および創薬開発への応用
Project/Area Number |
22591157
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 知新 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (30345780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵良 聖一 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (30152002)
村山 幸一 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (30334931)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 蛋白質 / 生物物理 |
Research Abstract |
1. マウスβ鎖C末端細胞質内領域のITAM motif中にあるチロシンをフェニルアラニンに置換した変異体(FFE,FYF,YFY,FYY,YYF)、β鎖C末端領域から1アミノ酸ずつ欠失させたβ鎖変異体(6種類)およびpolymolphism(E228G)を作製し、各々のタンパク質の精製を行った。また機能解析の結果、β鎖の234番目のアミノ酸であるアスパラギン酸がマスト細胞のサイトカイン産生や脱顆粒に重要な役割を果たすことが明らかになったため、その変異体(D234A)も作製しタンパク質の精製を行った。 2. 遠紫外円二色性分光(far-UV CD)により野生型およびすべての変異体の二次構造およびヘリックスの含量を検討した。野生型およびすべての変異体では220nmおよび208nmのところに下向きのピークが認められ、典型的なαヘリックス構造をとることを明らかにした。また、すべての変異体でヘリックス含量の低下は認められなかった。 3. CDの波長を二次構造の変化がもっとも大きく現れる220nmに固定し、温度を変化(24℃~80℃)させて、野生型とE228Gの温度変化によるタンパク質の構造の変化を検討した。両者とも見かけ上二状態転移を示したが、野生型が50~60℃の間で急速に二次構造が崩壊しているのに比べ、E228Gでは44~70℃の間で緩徐に二次構造が崩壊していた。熱変性曲線に明らかな差異がみられたため、得られたデータをもとにギブスの自由エネルギー(ΔG)を計算した。野生型のΔGが67.05KJ/mol、E228GのΔGが25.80KJ/molであった。E228Gでは熱安定性がかなり低くなっていることが明らかになった。その他の変異体についても現在検討中である。
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