2012 Fiscal Year Annual Research Report
高親和性IgE受容体β鎖の構造解析と予防・治療および創薬開発への応用
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22591157
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 知新 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30345780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵良 聖一 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30152002)
村山 幸一 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30334931)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 蛋白質 / 生物物理 |
Research Abstract |
1.前年度にβ鎖C末端細胞質内領域のアスパラギン酸(D234)がサイトカインの産生に重要である一方、脱顆粒には影響を与えないことを明らかにすることができたので、アスパラギン酸をアラニンに置換したβ鎖変異体(D234A)のタンパク質精製を行い、円二色性分光(CD)を用いてその二次、三次構造を解析した。遠紫外円二色性分光(far-UV CD)による検討では、D234Aは野生型β鎖と同様に220nmと208nmのところに下向きのピークが認められ、典型的なα-ヘリックス構造をとっていた。またヘリックス含量の低下も認められなかった。 2. 近紫外円二色性分光(near-UV CD)による三次構造の検討では、野生型β鎖とD234Aには有意差はなく、D234AがITAMのチロシン等の構造に影響をあたえている可能性は低いと考えられた。 3. CDの波長を二次構造の変化がもっとも大きく現れる220nmに固定し、温度を変化 (24 ℃-80℃)させて、野生型とD234Aの温度変化によるタンパク質の構造の変化を検討した。いずれも二状態転移を示したので、得られたデータをもとにギブスの自由エネルギー(ΔG)を計算した。野生型とD234AではΔGに有意差はなく、D234Aはβ鎖の熱安定性に影響はあたえないと考えられた。 4. 一方、D234はマスト細胞のβ鎖を介する新たなシグナル伝達経路である可能性が示唆されたため、会合する分子の同定をGST affinity precipitationやco-immunoprecipitationなどを用いて行った。しかし、従来の方法では会合する分子を同定できなかった。現時点での研究結果からは何らかの会合する分子が存在することが予想されるが、β鎖とのaffinityは弱いものと推測される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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