2010 Fiscal Year Annual Research Report
家族性血球貪食症候群の迅速診断法確立と細胞工学的手法を用いた病態解明
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22591159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八角 高裕 京都大学, 医学研究科, 助教 (00511891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平家 俊男 京都大学, 医学研究科, 教授 (90190173)
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Keywords | 家族性血球貪食症候群 / 迅速診断 / iPS細胞 |
Research Abstract |
A) FHL5迅速スクリーニングの確立と本邦に於ける各病型の病態調査 家族性血球貪食症候群(FHL)の1型であるFHL5の原因分子であるMunc18-2が血小板に発現している事を確認し、血小板蛋白を用いたウェスタンブロット法による迅速診断法を確立した。又、フローサイトメトリー法を用いた蛋白発現解析法もほぼ確立している。新たな試みとして、血小板の脱顆顆粒解析を用いたFHL3~5の診断にも取り組み、FHL3症例由来の血小板は顆粒放出能が落ちている事を確認したが、血球貪食症候群の急性期に於いては2次性症例にも認められる現象である事を突き止め、今後の血球貪食症候群の病態解明に寄与した。H22年度は全国より40例のFHL解析依頼があり、FHL2・FHL3それぞれ1症例を迅速に診断した。FHL4及びFHL5については新規症例の発見はなかったが、これまで既に集積されていたFHL疑い症例の解析から、日本にもFHL5症例が存在していた事が明らかとなった。又、原因不明のFHLと思われる2症例の存在が確認され、FHL3~5と同様に細胞障害性顆粒の放出障害が原因である事を解明した。 B) FHL患者由来iPS細胞の樹立 FHLは早急な免疫抑制療法と造血幹細胞移植を必用とする重症疾患であるため、患者由来の細胞はごく限られた期間しか入手出来ない上、解析に際してステロイドや免疫抑制剤の影響を排除する事は不可能である。この為、FHL患者由来のiPS細胞を樹立し、そこから各種免疫細胞への誘導が可能となれば、半永久的な細胞供給が可能となり、ステロイドや免疫抑制剤の影響を受けない、より自然に近い状態での解析が可能となるが、22年度には作成する事が出来なかった。 c) FHL患者由来iPS細胞からM細胞並びに単球/マクロファージ系細胞への分化誘導 FHL患者由来ではないが、正常iPS細胞から樹状細胞への分化誘導にほぼ成功した。
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[Journal Article] Subtypes of familial hemophagocytic lymphohistiocytosis in Japan based on genetic and functional analyses of cytotoxic T lymphocytes.2010
Author(s)
Nagai, N., Yamamoto, K., Fujiwara, H., An, J., Ochi, T., Suemori, K., Yasumi, T., Tauchi, H., Koh, K., Sato, M., Morimoto, A., Heike, T., Ishii, E., Yasukawa, M.
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Journal Title
Peer Reviewed
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