2012 Fiscal Year Annual Research Report
同種造血幹細胞移植後のWT1ペプチドワクチン療法の開発と抗腫瘍免疫動態の解析
Project/Area Number |
22591160
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋井 佳子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60343258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳弘 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20273691)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 免疫療法 / 同種造血幹細胞移植 / 小児血液悪性腫瘍 |
Research Abstract |
当院および他施設1施設の2施設において「WT1ワクチンを用いた難治性小児血液腫瘍患者に対する同種移植後免疫療法」がIRB承認のもとおこなわれ、再発リスクの高い16例が登録された。疾患は急性リンパ性白血病8例、急性骨髄性白血病7例、末梢性T細胞性リンパ腫1例であった。移植時に7例が分子学的非寛解症例でありうち3例が形態的非寛解であった。WT1ワクチン接種時は9例が分子生物学的再発であった。1例が免疫抑制剤中止時のGVHD増悪に対して投与されたステロイドによる膵炎で中止、4例が再発により中止となった。11例が現在寛解、ワクチン接種を継続している。2年無イベント生存率は68.8%、2年全生存率は85.9%であった。観察期間は移植後5か月~59か月、中央値27か月である。安全性はステロイド膵炎による中止例1例以外は局所の発赤、腫脹のみでGVHDの増悪はみられなかった。 1)WT1ペプチドワクチン接種開始の時期に関し寛解例と再発例で有意差はみられなかった 2)WT1特異的CTL数を経時的に測定したところ、多くの症例でWT1ペプチドワクチン接種後8~9週後に最も増加し、その後、低下することが明らかとなった。また12週から2週間隔とすることで再びWT1特異的CTL数は増加した。このことから12週まで毎週接種し以降隔週接種は妥当と考えられた。 3)WT1特異的CTL数は非寛解例で増加が少なく、増加がみられなかった症例は再発した。 4)8例で免疫抑制剤が投与されておりWT1特異的CTL数の増加と免疫抑制剤投与の有無に関連はなかった。 以上のことから同種造血幹細胞移植後のWT1ペプチドワクチン接種は安全であり、同種造血幹細胞移植後のgraft versus leukemia効果を増強すると考えられる。現行の臨床試験接における種量、接種間隔は妥当であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)