2011 Fiscal Year Annual Research Report
TEL-AML1陽性白血病発症の分子機構の解明と分子標的療法の開発
Project/Area Number |
22591163
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50420782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 真理子 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40420781)
石井 榮一 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20176126)
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Keywords | TEL/ETV6 / TEL-AML1 / ES細胞 / 造血細胞分化 |
Research Abstract |
TELの機能およびTEL-AML1融合遺伝子による腫瘍化のメカニズムを解析するために、Chicken-β-actin (CAG)プロモーター下に野生型TELおよびTEL-AML1融合遺伝子を発現する発現ベクターを作製し、マウスES細胞に導入し、恒常的に発現するES細胞株を樹立した。このES細胞を用いて、造血細胞の分化・増殖にこれらの遺伝子が与える影響について解析した。胚様体(Embryoid body, EB)を形成させ、造血細胞へ分化させると分化5-7日後に造血細胞の出現を認める。定量PCRを用いた解析では、通常のES細胞ではTEL遺伝子の発現は未分化な状態から認められ、分化開始5日後から造血細胞の出現にともなってその発現が2-3倍に上昇する。TELの発現は未分化ES細胞の生存・増殖には影響を与えなかった。また分化開始後6-7日の細胞を用いたコロニーアッセイでは、TELの発現は造血コロニーの形成能・増殖能に影響を与えなかった。FACS解析では、TELを過剰発現するES細胞は、Tie2陽性c-kit陰性の細胞群が増加していた。Tie2陽性細胞を用いた発現アレイ解析では、血球分化に必須な転写因子AML1等の発現が抑制されていた。 TEL-AML1を発現するマウスES細胞の解析では、分化開始6-7日後に出現するc-kit+/Sca1+の造血幹細胞を含む細胞群が減少しており、同時に造血コロニー形成能がコントロールのES細胞と比較して低下していた。定量PCR解析では、TEL-AML1発現ES細胞ではAML1の標的遺伝子を含む骨髄系の分化マーカーである遺伝子群の発現低下を認めた。また分化開始後6-7日の細胞を用いたコロニーアッセイでは、TEL-AML1の発現は造血コロニーの形成能・増殖能に影響を与えなかった。現在、TEL-AML1陽性ES細胞に二次的な遺伝子異常を導入することにより、腫瘍化能が得られるかどうかに関して検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TEL-AML1を発現するES細胞は予想外に造血細胞への分化能が抑制されており、その表現系の解析に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
ES細胞の造血細胞への分化において、TELの標的となる遺伝子群が同定できたので、TEL-AML1陽性細胞におけるTEL遺伝子欠失の意義を探るために、これらの標的遺伝子の発現、発現抑制を行い、TEL-AML1陽性造血細胞の増殖能や分化能を検討する。また免疫不全マウスにTEL-AML1発現造血細胞、および二次的な遺伝子異常を導入した細胞を移植することにより、白血病の発症モデルの作製を試みる。
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Research Products
(3 results)