2011 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン-8を介した末梢血幹細胞動員の分子機序の解明と臨床応用
Project/Area Number |
22591164
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡本 康裕 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30398002)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 嘉文 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20260680)
|
Keywords | IL-8 / G-CSF / 動員 / 好中球 |
Research Abstract |
方法 1.健常人の末梢血を採取し、リンフォプレップによって、好中球を分離し、G-CSF存在下で培養した。 2.ヒト血管内皮細胞(HUVEC)を培養し、上記で示したG-CSFで刺激した好中球とHUVECを2日間共培養した。 3.共培養の後、HUVECと好中球を分離し、それぞれの細胞から、mRNAを抽出し、好中球とHUVECで上昇する遺伝子をスクリーニングした。 結果 1.共培養後には、Toll-like receptor (TLR)2の発現が、非共培養に比較して、3.6倍に上昇していることがわかった(mRNAレベル)。 2.同様の条件で培養した好中球を用いフローサイトメトリー(FACS)でTLR2が好中球表面での発現が増加している(非共培養の1.6倍)ことを確認した(蛋白レベル)。 3.次に、TLR2に対する中和抗体を、上記2の培養系に用いて、TLR2の作用を阻害した。 4.培養上清を用いてIL-8の産生をELISA法で検討したところ、中和抗体を用いなかった場合(阻害しない場合)に比べて、IL-8の産生は32%に抑制された。 意義重要性 これまでの研究によってG-CSFで動員された好中球と血管内皮の相互作用によってIL-8が産生されることがわかっていたが、今年度の研究によって、その相互作用の分子機序が解明された。これらの分子機序がわかることで、今後これらを標的とした薬剤(末梢血幹細胞を動員する薬剤)の開発や、G-CSFで動員されない、いわゆるpoor mobilizerの同定に役立てることができると考えられ、大変重要な結果である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった、相互作用に働く分子を同定できたことは成果であると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後としては、まず、TLR2の発現が上昇することをTLR2のシグナル伝達の観点からさらに確認する必要がある。 次に、当初の計画通り、実際にG-CSF投与を受ける患者の好中球においてTLR2の発現が上昇し、それに伴いIL-8産生が増加するかを確認する。また、poormobilizerを同定する目的で、TLR2およびIL-8のプロモーター領域の多型について検討する。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article] Benzene Metabolite, 1,2,4-Benzenetriol, Induces Halogenated DNA and Tyrosines Representing Halogenative Stress in Human Myeloid Cell Line HL-602012
Author(s)
Nishikawa T, Miyahara E, Horiuchi M, Izumo K, Okamoto Y, Kawai Y, Kawano Y, Takeuchi T
-
Journal Title
Environ Health Perspect
Volume: 120
Pages: 62-67
DOI
Peer Reviewed
-
-
-